社長が一緒にやらないと、環境整備をしても会社が変わらない理由【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

私は支援先の企業で”そうじ”(=環境整備)を指導する際、常々、
「社長が社員と一緒にやってくださいね」
とお願いしています。

それは、
「社長が一緒に環境整備をやると成功し、一緒にやらないと失敗する」
という経験則があるからです。

でも、実は多くの社長が、「一緒にやる」ことをしません。

「社長が一緒にやる」というのは、どのようなことなのでしょうか。
社長が一緒にやると、どんな効果があるのでしょうか?
なぜ社長が一緒にやると環境整備は成功し、一緒にやらないと失敗するのでしょうか?

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「社長が一緒にやる」とはどのようなことか?

「社長が社員と一緒に”そうじ”をする」とは、どういうことでしょうか。
「一緒にやる」というのには、いろいろなスタイルがあります。

①社長が社員と一緒になって、手を汚し、汗を流す

什器を移動させたり、床を掃いたり、テーブルを拭いたり、機械を磨いたり…。
いわば、社長も一兵卒になって、手足を動かす、というもの。

②社員が汗を流している現場に顔を出し、鼓舞し、叱咤激励する

「ほとんど会社にいない」「時間を合わせることが難しい」という社長がとるスタイルです。
実際にともに汗を流すことはなくても、時に褒め、時に叱る。
いわば「心を向ける」というもの。

③社員と一緒にはやらないが、社長自身は独自に掃除に取り組む

社長が毎日、トイレ掃除を黙々と続けている、というようなスタイルです。

この中で、(1)のスタイルがベストなのは、いうまでもありません。
「一緒にやる」といえば、「一緒に汗を流すこと」です。
空間と時間を共に過ごすことで、言語化されていなかったものに気が付くことも多々あります。

ただ、それぞれの社長のカラーや諸事情もあるでしょうから、(2)や(3)のスタイルでも構わないでしょう。

なぜ「社長自身が一緒に取り組む」必要があるのか

とはいえ、社長というのはとにもかくにも忙しいもの。
「社長と社員の役割は違う」
「なぜ社員が働く環境の整備をするのに、社長が関わらなければならないんだ」
とお感じになるのはもっともです。

でも、社長が一緒に取り組むことでしか社員に伝えられないことがあります。
それは、「本気で環境整備で会社を変えたい」という想いです。

「一緒にやる」ことで、社員に本気が伝わる

ビジネスパーソンであれば誰でも、仕事を「重要度」と「緊急度」のマトリクスに当てはめ、優先順位をつけてこなしていることでしょう。

このマトリクスに当てはめてみると、“そうじ”は、
「緊急ではないけれど、重要度が高い取り組み」
の最たるものに位置します。

こうした、
「緊急ではないけれど、重要な取り組み」
を全社として推進するためには、大義名分が必要
になります。

社員にとっての命題は、利益を伸ばすことや、期限に間に合わせることです。
それが、評価や待遇に直結することだからです。

そんな社員にとって、
「”そうじ”に取り組もう」
という言葉だけでは、
「この忙しいのに、やってられない」
「今日、この仕事をしたほうが売上が上がる」
と、社長の考える意義を伝えることは難しいでしょう。

大義名分を掲げる方法は、理念を明確化したり、目標を決めたりと、いろいろあります。

その中で、
「社長自身が一緒に取り組む」
ことは、一番の大義名分となります。

なぜならば、それは、
社長が【言っていること(理念・目的)】と【やっていること】を合致させる行為
だからです。

もし傍らで、
「この取り組みは、我が社にとって最重要な取り組みなんだ」
と、社長が一緒に掃除をしているとしたら、社員はやらないわけにはいかないでしょう。

そして何より、社員の何倍も忙しいはずの社長が一緒に取り組むことは、
「環境整備は、すぐに売上が上がるものではないけれど、重要な取り組みなのだ」
と社員に投げかけるメッセージとなります。

社長が一緒に”そうじ”をすると現れる3つの効果

それでは、具体的に、社長が社員と一緒に”そうじ”をすると、どんな効果が現れるのでしょうか?
単に「キレイになった達成感」を共に味わえるというだけではありません。

①社員の声を拾いやすくなる

社長が社員と一緒になって”そうじ”に取り組むと、まず社員の距離が縮まります。

実は私たちは、普段、会話をしているようで、意外にしていません。
業務上、必要な会話しかしていないのです。
極めて事務的です。

でも組織には、適度な雑談も必要です。
雑談は新たな発想を生み出したり、人間関係を円滑にする役割を持ちます。

しかしながら、
「雑談は大事」
と思ってはいても、お互いに仕事の領域が被らない社長と社員では、雑談の機会をとるのも難しいこと。

“そうじ”を一緒にする時間は、何を話そうがOKな時間です。
むしろ、じっくり向かい合わずに話をするからこそ、大事な話をしやすいのです。

同じ床や機会を一緒に磨きながら、何気なく交わす会話の中で、互いに、

  • プライベートなこと(家庭のことや趣味のこと)
  • どんなことを考えているのか(価値観)
  • どんな心配事や困りごとがあるのか(業務内外に関わらず)

といったことが分かることがあります。

②仲間意識が生まれる

「○○をキレイにする」という共通の目標に向けて、一緒に汗を流すことで、一体感が生まれます。
仲間意識が生まれるのです。

一般的に経営者と従業員の間には高い壁がありますが、その壁が低くなる、と表現してもいいでしょう。
なぜならば、”そうじ”は「同じ行為を、フラットな立ち位置で行う取り組み」だからです。

よく「同じ釜の飯を食った仲間」といいますが、一緒に掃除をすることは、まさに「同じ釜の飯を食った仲間」という感覚を生みます。

③社長自身に沢山の「気づき」をもたらしてくれる

なによりのメリットは、社長自身にたくさんの気づきがある、ということです。

たとえば、社員と一緒に床を磨いていたとします。
すると、床面がはげていたり陥没していたりすることに気づき、
「ああ、この建物もだいぶ老朽化しているな」
ということが分かるかも知れません。

あるいは、社員と一緒に、倉庫の中身の整理・整頓をしながら、
「管理職が倉庫の中身を把握できていない」
ということに気づいたり、
「社内で在庫の管理がうまくいっていない」
ということが分かったりするかも知れません。

また、社員たちが掃除をしている中に混じると、
「Aさんはリーダーシップがあるな」
「Bさんは協調性に欠けるけれど、一つのことに集中できる力があるな」
というような、
「書面で見た人事評価だけではわからない」
ようなことに気づくかもしれません。

実はこういうことは、社長が「経営者」としての仕事をしている中では、なかなか気づきにくいことなのです。

こうした、「社員と一緒に”そうじ”をする」中での気づきを、経営に生かし、会社の変革に成功している社長が、たくさんいます。

▶お客様の声

まとめ

環境整備の取り組みを進めるにあたって、

  • 社員に対して「掃除をしなさい」と命令するものの、社長自身は手を動かさない
  • 社員主導で進めさせ、社長は環境整備のチェックだけ行う

という体制の会社は多いかもしれません。

そして、「社長と社員の役割は違うからそうしている」と仰られるかもしれません。

もちろん、社長と社員の役割は違います。
社長が社員と同じことをやっていたら、その会社はつぶれます。

でもそれは、一般の業務(仕事)のこと。
そうじは、一般の業務とは全く質が違います。
やったところで売上が上がるわけではありませんし、やらないとしても特別に困ることもありません。
なんなら外注したって構わないのです。

それでも、一緒にやることで、

  • 経営者だけにしか見えないこと
  • 業務上だけではわからなかったこと

が必ず見えてきます。

「環境整備で会社を変えたい!」と決めたならば、ぜひ社員と”一緒に”取り組んでいただきたいと思います。
その上で、自分たちだけでは限界だとお感じならば、どうぞいつでもご相談くださいね。

わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く日本で唯一の研修会社です。

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