こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
「5S」「環境整備」「断捨離」…世の中には同じようなことを表現している言葉がいくつもあります。
わたしたちはそれらを”そうじ”と表現しています。
どうして「掃除」と表記しないのか。
その理由は…。
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目次
そうじ、環境整備、5Sとは何か?
そうじ、環境整備、5Sの定義
経営用語として、「場を整えることを通じて会社を良くしていく活動」を、「環境整備」と言ったり「5S活動」と言ったりしますね。
それぞれの定義は何でしょうか?
本にはこうあります。
環境整備…「規律、清潔、整頓、安全、衛生」「環境を整え、仕事に備えること」
5S…「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ(躾)」
私たち(株)そうじの力においては、こうした活動をひっくるめて「そうじ」と呼んでいます。
「そうじ」と「掃除」は何が違うのか?
私たちは「そうじ」と「掃除」を分けて表記をしています。
意味するところが違うものだからです。
「掃除」とは「汚れを取り除くこと」「キレイにすること」です。
5Sで言うところの「清掃」の部分と言えるでしょう。
以前、
「経営者仲間から、『社長が毎朝トイレ掃除をすると、会社が良い方向へ変わっていく』と教えてもらったんです。それ以来、何年もトイレ掃除を続けているものの、社員は気にもかけてくれない。これがきっかけで何かが変わっているとは思えないんです」
とある社長さんが仰っていました。
確かにトイレはキレイに磨かれています。
でも社内を見ると、モノがいっぱい。
すべて使われているものか?というと、そうではなさそうです。
清掃活動は美徳に溢れています。
充実感も得られ、「ありがとう」の言葉から承認欲求も満たされます。
でも、「清掃」に取り組む前に、やるべきことから目を背けていないでしょうか?
なにかうまくいかなかったとき、
「掃除しているのに、なんで状況が良くならないんだ」
と、掃除(清掃)のせいにしていないでしょうか?
そこで私たちは「掃除」と「そうじ」を、別のものとして表記することに決めました。
「そうじ」の定義は、「本質を明らかにし、究めること」。
場を整えることより表面化した問題に、正面から向き合って取り組み、会社を良くしていく活動。
これが”そうじ”です。
“そうじ”の具体的活動
とは言え、具体的に”そうじ”とは、どのような活動を指すのでしょうか?
たとえば、
- 必要なものがすぐに使えるように、山積みにされているモノの状態を把握し、不要なものを取り除くこと。
- 誰もが使いやすいように、あるべきものが、あるべき場所に、あるべき量だけ分かりやすくあるようにすること。
- 安全を確保するために、危険なものを取り除くこと。
- 本来の機能を発揮できるように、壊れているものは修理し、汚れているものは磨きこむこと。
- より高度な仕事ができるように、工夫、改善、更新を常にしていくこと。
これらは一見「モノ」に対してアプローチしているように見えます。
ですが実はその過程で、奥にある「コト」の問題をあぶり出すアプローチなのです。
「コト」とは、情報や感情、仕組みや仕掛け、制度や枠組みなどの、目には見えにくいもの。
たとえば、
- 必要な情報が、きちんと伝達されているのだろうか?
- 意思疎通の障害となっているものが何かあるのではないだろうか?
- 言いたいことが言える、やりたいことがやれる環境が社内に作られているだろうか?
- 表面には見えない本当の問題が隠されていないだろうか?
- 本来の仕事への集中を阻害する無駄な仕事をしていないだろうか?
- ルールや手順が曖昧で、「なんとなく」になっていないだろうか?
こうした問題が炙り出されていくわけです。
そして、こうして炙り出された問題を、解決・改善していくのです。
つまり、
- 必要な情報がきちんと伝達されるようにする。
- 意思疎通の障害となっているものを取り除く。
- 言いたいことが言える、やりたいことがやれる環境を社内に作る。
- 表面には見えない本当の問題を表面化して解決する。
- 本来の仕事への集中を阻害する無駄な仕事をなくす。
- ルールや手順を明確にする。
ということです。
“そうじ”の目指すもの
こうしたプロセスをつうじて、
- 各人が本来の持てる力を発揮できるようになり、
- お互いに気持ち良く仕事ができるようになります。
これこそが、“そうじ”つまり「本質を明らかにし、究めること」の真意であり、目的です。
よく誤解がありますが、環境整備も5Sも、キレイにすることが目的なのではありません。
結果として場は整いキレイになりますが、目的は
- 各人が本来の持てる力を発揮できるようにする。
- お互いに気持ち良く仕事ができるようにする。
ことのはずです。
だから、「そうじ」には力があるのです。
「そうじの力」とは、「各人が本来の持てる力を発揮でき、お互いに気持ち良く仕事ができるようにする」力なのです。
なぜ「そうじ」が会社を変えるのか?
他の研修にはない、「そうじ」だけが持つ特徴が3つあります。
①企業に必要な基礎体力をつけることができる
経営者の悩みは様々です。
特に中小企業においては、幾多の課題がある中で、限られた資源をどこに集中して投入すればよいか、迷ってしまうことでしょう。
こうしたときに、すぐに効果が見えそうな「枝葉」に着目してしまいがち。
枝葉とは、たとえば知識や技術、商品、販売方法などです。
しかし、いくら良い枝葉を持っていても、「根」が良くなければ、根本的な改革にはなりえません。
「根」とは、「基礎体力」と言い換えても良いでしょう。
スポーツの世界においても、いくら良い技術を持っていても、基礎体力がなければ、長い期間にわたって好成績を残すことはできません。
「そうじ」は、「根」に働きかけます。
企業の基礎体力を養うことが、組織風土を変え、結果として業績の向上につながるのです。
②知識や観念ではなく実践
良い会社をつくるため、経営者は様々なことを学び、自社に取り込んでいることでしょう。
ところが、いくら良いことでも、知識や観念だけでは物事は進みません。変わりません。
いくら良い内容の研修を受けても、それが知識レベルにとどまり、実践されなければ意味はありません。
いくら高邁な理念(フィロソフィー)を唱和しても、それが実践されなければ、「絵に描いた餅」です。
”そうじ”は、「実践」です。
具体的にモノを動かし、手足を汚し、汗を流すことで、モノの背後にあるコトの本質が見えてきます。
お互いの距離が縮まり、会話が生まれます。
改善の手立てが見えてきます。
こうした「実践」こそが、組織風土を変え、会社を変えていくのです。
③社員が自主性、主体性を表現する練習の場になる
日常の業務において、一現場社員が「ここにはムダが発生しているからやり方を変えたい」と考えた時、実行に移すためにはかなりの労力やコストがかかります。
- 導入や見直しにかかるコスト
- 利害関係の調整
- 社長まで稟議を通すタイムラグ
費用対効果が良いと証明できなければ、その「こうしたい」は通らないでしょう。
「自ら考え、自ら動いてくれる社員が育たない…」
とお嘆きの経営者の方も散見しますが、
- 上司が自分の希望を受け止めてくれなかったり
- そもそも「こういう風にしたい」が言える職場環境でない
事などによって、社員の自主性の芽が潰されてしまっているのかもしれません。
そうじは、様々な立場の人の、小さな「こうしたい」「こうした方が良い」という想いを実現できるツールです。
自分が発案し、実現できた改善は「やりがい」に繋がります。
特にそうじは、自分のためだけでなく、周囲の人の快適さを生み出す行為。
「ありがとう」の言葉も、「やりがい」を満たしてくれます。
小さな改善を積み重ねていくことが、主体性や自主性を表現する練習となります。
その結果、業務そのものの見直しにまで発展していくのです。
成功事例
社長と先代会長の親子関係が改善!
U社では、当初、会長(父)と社長(息子)の仲がぎこちなかったのです。
ところが、「そうじの力」の取り組みが始まってから、親子の仲が良くなっていきました。
父と子で、一緒に山積みになった書類を整理しながら、いろいろな会話が生まれます。
おい、ここにこんな役立つ情報があるぞ。これ、読んでみないか
そんなもの要りませんよ。捨ててください
こんな会話をしながら、お互いの距離が少しずつ縮まっていきます。
ある時、社長が、私にしみじみ語ってくれました。
「会長が、なぜあんなにモノを溜めこんでいたのか、なんとなく分かりました。
たぶん、父親として、息子である私に対して、『こんな役立つ情報がある、読んでみなさい』という親心で、新聞や雑誌の切り抜きなどをスクラップしていたんだと思うんです。
自分はその親心も分からず、冷たくしていた。
でも今回、二人で書類を整理する中で、その親心がなんとなく分かってきた。
それだけでも、”そうじ”に取り組んだかいがありました」
こんなふうに語ってくれたのです。
経営者と社員の壁がなくなった!
O社には当初、「社長室」がありました。
ちゃんとした個室ではなく、大部屋の奥のスペースをパーティションで区切って、そこに社長が籠っているのです。
そのパーティションを、私は「取り外しませんか?」と働きかけました。
なぜならば、パーティションを取り外したほうが、絶対に社員さんたちとの距離は縮まるからです。
当初、社長は渋っていたのですが、私が圧力をかけ続けた結果(笑)、パーティションを取り外してくれました。
社員さんたちのデスクと一続きの大部屋となりました。
その後、狙い通り、社長と社員さんたちとの会話が増え、コミュニケーションが良くなりました。
社内は以前よりもずっと明るく活気に満ちた雰囲気に変わりました。
物理的な壁が、心理的な壁を作ります。
物理的な壁を取り払うことで、心理的な壁をなくすことができるのです。
業務そのものの見直しにつながった!
H社では、そうじの取り組みを進めてきたものの、なかなか前に進まない状況がありました。
その一つの要因は、社員が忙しすぎること。
社長を筆頭に、全員が、朝から晩までずっと走り回っている状態なのです。
なぜこんなに忙しいのか、業務を洗い出してみると、「カバーする領域が広すぎる」という結論に辿り着きました。
広げすぎた営業エリア。
多すぎる商品ラインナップ。
長すぎる営業時間。
これらを見直し、業務をスリム化していきました。
これも”そうじ”です。
まとめ
「そうじ」は「掃除」とは違うもの。
決してキレイにすることを目的とした活動ではありません。
「そうじ」とは、「本質を明らかにし、究めること」
モノをつうじてコトにアプローチする取り組みであり、
- 各人が本来の持てる力を発揮できるようにする。
- お互いに気持ち良く仕事ができるようにする。
ことが目的です。
「そうじの力」には、思いもよらない面白い事例やユニークな事例がたくさんあります。
どのような変化が現れるかは、その会社次第。
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