社員のモチベーションを左右する!委員会名の大切さ【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

環境整備に取り組むとき、委員会やプロジェクトチームを結成することは多いでしょう。
弊社支援先でも、社員数が10名を超える時などは、委員会が結成されることが多いです。
委員会名は、会社によってさまざま。
でも、実はこの「委員会名」、活動を進めるにあたり非常に大切な役割を持っているのです。

委員会の名称を変える

ある小売店での事例です。

この会社では、環境整備を主導するチームとして「環境美化委員会」が結成され、活動してきました。
委員会が主導して、全員で事務所、倉庫、店舗、敷地内外の整理・整頓・清掃を少しずつ進めています。

何回目かの支援の際、私はある投げかけをしました。
それは、この委員会の「名前」について。

委員会メンバーで、あらためて環境整備活動の、目的や目標を確認しました。

  • 決して表面の見た目をキレイにする「美化活動」ではない、ということ
  • 整理、整頓、清掃という活動を通じて、「気づき」を高め、「行動力」を培い、「コミュニケーション」を養い、「チームワーク」を育て、「社風」を良くすることが目的だということ

ミーティングの結果、委員会の名称を、今までの「環境美化委員会」から「環境整備委員会」に変更しました。

名前の重要性

名前、名称、ネーミングというのは、思っている以上に大切なものです。

  • 環境美化
  • 環境整備

この2つを比べてみると、イメージできるものが随分違ってきます。

「美化」とは、「美しく変化させる」こと。
周辺のゴミ拾いや、除草など、主に「清掃」をイメージさせる言葉です。

「整備」とは、「すぐ役立てられるように準備を整える」こと。
不要なものをなくし、必要なものを管理し、スタンバイ状態にしておくなど、主に「整理・整頓」をイメージさせる言葉です。

もし「環境美化委員会」という名前のままであったとしたら。
いくら活動の目的を委員会で毎回確認しても、社員の日々の活動内容は「清掃」がメインのものになりがちになるでしょう。
(整理整頓より、清掃の方が「ラク」ですからね。これについては後述します)

また、委員会メンバー以外の人が耳にしたときに、どのような印象を抱くでしょうか。

「環境美化委員会」は、「会社のイメージアップを図る活動をしているんだな」と思われるかもしれません。
「環境整備委員会」は、どういうことをしているかの細微までは伝わらなくても、「何かしらのしくみの見直しを行っているのかな」とイメージしてもらえるのではないでしょうか。

商品開発では、ネーミングがその後の売れ行きを決めるといいます。
委員会やプロジェクトなどの名称は、チームメンバーのモチベーションに関わってきます。

整理・整頓より、清掃の方がラク?

さて、先ほど、「整理・整頓より、清掃の方がラク」と書きました。
これの意味するところは2つあります。

①清掃は「痛み」「待つ苦痛」を伴わない

例えばゴミ拾い(=清掃)で拾う「ゴミ」。
これは、飴の包み紙やタバコの吸い殻など、明らかに「ゴミ」であるものです。
これを拾ってゴミ箱に捨てるのに、誰かに許可を取る必要はありません。

一方、社内にある「自分は絶対に必要ないと思っているけれども、処分するのに誰に聞いたらいいのかわからないもの」を処分しようとする場合。(=整理)
その権限を持つ人を社内中調査して特定し、当人から、場合によってはその上司から許可を取る必要があります。
手間も時間もかかります。
許可をとって処分した後になって「そういえばアレはどこにやったんだ」と言われた日には、たまったものではありません。

整理には苦痛が伴います。清掃には伴いません。

②清掃はすぐに感謝してもらえる。整理はそうとは限らない。

清掃をしていると、「ありがとうございます」「ご苦労様です」と労いの言葉をかけてもらえることが多いでしょう。
これはやりがいに繋がり、とても嬉しいことです。

でも整理は、上の例のように「責任を取らされるリスク」をとらなければ進まないものです。
ゆくゆくは、「あの時、整理整頓しておいてよかったね」と言ってもらえるかもしれません。
でも、今すぐに「処分してくれてありがとう」とはなりにくいでしょう。
そもそも、放置されていたものなのですから。

業務時間内に委員会活動をしてまでやりたいのは、「改善」か?「変革」か?

あなたの会社で委員会を作り、「5S」や「環境整備」に取り組むのは何のためでしょう。
既存のやり方や会社の現状をベースに、工夫を加えていく、「痛みのない改善」か。
会社の現状をしっかりと見、既存のやり方を見直して、新たな価値を作り出す「変革」か。
前者であれば、社長の参加は不要でしょう。
後者であれば、これは経営改革。社長の力は必須です。

名前は、「社長のやりたいこと」を社員に伝える大切な役目を持っています。
活動名、プロジェクト名、この機会に見直してみてはいかがでしょうか?

(株)そうじの力は、”そうじ”で組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社です。
◆社内が乱雑なことにお悩みの経営者様                  
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どうぞお気軽にご相談ください。

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