こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
あなたの会社では、すでにDX化を進めているでしょうか?
DXとは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称。
2018年に経済産業省が公表した定義には、
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
経産省 デジタルガバナンス・コード2.0(旧DX推進ガイドライン)
とあります。なかなか壮大な構想です。
目指すは最新のシステムを活用したダイナミックな構造転換ですが、まず取っ掛かりとして、
「今まで手書きやアナログ、カンや気分や根性でやっていた業務をデジタル化して効率化・最適化させる」
ところから始めるということで、まずは良いのではないかと思います。
さて、「デジタル化」というと、多くの人が、
「パソコンやタブレットを活用して、便利なソフトやシステムを導入して・・・・・」
と考えると思います。
ですが、いきなりそれをやると、まず失敗します。
結論から言うと、デジタル化の前に、そうじ(整理・整頓)をしないと失敗するのです。
逆に言えば、DXを目指すのならば、その前にまずは整理整頓をしましょう、ということ。
今回は、このことについて解説していきます。
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目次
デジタル化は「業務の把握」が前提
デジタル化の前提は、「誰が何をやっているのか把握できていること」です。
これができなければ、いくら「PC!タブレット!システム!クラウド!」と騒いだところで、何も始まりません。
把握できているアナログの業務を、PCやシステムで置き換えて省力化や最適化していくのです。
例1)手書き伝票 ⇒ エクセル入力
例2)ホワイトボードに各人の予定を記入 ⇒ スケジューラーに入力
例3)ひたすら繰り返すルーティン作業 ⇒ ロボットが代行
ところが、実は多くの企業、特に中小企業において、「誰が何をしているのか」が分かっていないのです。
業務が把握できない3つの原因
「各人が他者の業務内容を把握していない」、どうしてそのようなことが起こるのでしょうか?
主に考えられる原因は3つあります。
原因① モノであふれている
事務所のデスクや、工場の現場、倉庫の中などがモノがあふれていっぱいで、視覚的に各人の動きが見えないことがあります。
たとえばデスク。
あるいは、倉庫。
このような状態になってしまっている時、この場所で仕事をしている人以外は、うっかり何かに触ることはできません。
例えばうっかりモノを動かしてしまったら、「なんで勝手なことをするんだ!」と怒られてしまったり、逆に業務の流れを悪くしてしまうことがわかっているからです。
視覚的に見えない=実際に「そこでの業務の流れ」が見えない、ということになります。
原因② 仕事が個人に貼りついている
多くの企業で、仕事が個人に貼りついています。
例えば、企業経営に必要な仕事が「A」「B」「C」とあるとします。
理想は、それを「aさん」「bさん」「cさん」と数人で分担してやってもらうことでしょう。
そうすれば、急にaさんに用事が入ってしまったときに、bさんcさんでその穴をリカバーすることができます。
ところが多くの中小企業で、そういう風にはなっていません。
aさんは「aさんの仕事」をやり、bさんは「bさんの仕事」をやり、cさんは「cさんの仕事」をやる、という状態になりがちです。
各人がそれぞれの業務を抱え込み、公に開示しない風土になってしまっています。
原因③ 社員それぞれが自分の業務を把握していない
そもそも、社員それぞれが、実は自分自身の業務というものを、きちんと把握していない、という現実があります。
「んな、バカな!」と思うなかれ。
冷静に振り返ってみると、目の前に降りかかってきた課題を、とりあえずその場その場で対処している、ということが少なくないことに気づくはずです。
逆に言えば、それくらい、日々の業務がシッチャカメッチャカになってしまいっている、ということなのです。
これでは、ITに代行させようにも、代行させようがありません。
業務把握のためにすべきこと
それでは、自分と他者の業務を把握するためには、どのようにすればよいでしょうか?
次の3つのことが大切です。
①視覚的に見えるようにする
視覚的に、各人の動きが見えるようにすれば、各人の業務の流れも見えてきます。
②「オープンな風土」をつくる
「各人が各人の業務を抱え込み、他人に触らせない」
ということではなく、
「各人の動きを開示し、オープンにする」
機会と風土をつくれば、会社全体として業務の流れが見えてきます。
③業務の棚卸をする
各人が、自分自身の業務を棚卸しすることで、自分に与えられた役割を把握し、より良く改善していく機運が生まれてきます。
デジタル化推進の前に”そうじ”に取り組むべき4つの理由
上記のような、デジタル化の前提となる「見える化」や「オープンな風土」そして「業務の棚卸」は、そうじ(整理整頓)をすることで実現できます。
そうじとは、「整理・整頓・清掃を通じて、現状や課題を明らかにし、全員でより良い企業風土を作る活動」のことを言います。
①業務を可視化できる
不要なものを捨てることを「整理」と言います。
整理することで余計なものがなくなり、総量が減ります。
必要なものを、わかりやすく配置し、明記することを「整頓」と言います。
整理と整頓をすると、見通しが良くなり、どこに何があるのかがわかります。
どこに何があるのかがわかると、それに伴って、どのような業務が行われているのかが、わかってきます。
②「オープンな風土」がつくられていく
”そうじ”においては、「見えない所」や「隠れた所」の整理・整頓・清掃に力を入れます。
なぜなら、「見えない所」や「隠れた所」にこそ、不要物や不明物、ゴミやホコリが溜まるからです。
そして、この「見えない所」や「隠れた所」の掃除は、貴重な副産物を生みます。
それは、「オープンな風土」です。
誰しも、隠れたところは他人には見せたくないものです。
別に、何か見られたら困るようなものが入っていなくても、扉を開け、引出を開けて中身を見せるというのは、恥ずかしくて抵抗があるものです。
しかし、”そうじ”においては、あえて扉を開け、引き出しを開けて、整理を行います。
本人だけでなく、皆でその作業を行います。
それによって、その中身が整うことはもちろん、
「別に隠すことはないんだ」
「見られたところで、どうということはないんだ」
という気持ちが各人に生まれてきます。
取り組みが進んでくると、
「オープンにした方が気持ちいい」
という空気に変わってきます。
オープンな風土ができれば、何をどうデジタル化すべきかの掘り起こしが漏れなくできますし、会社が推し進めようとしているデジタル化に対して、皆で一緒に協力して取り組む態勢もできてきます。
③業務の棚卸ができる
各人が、自分の身の回りを整理・整頓することで、自分自身の業務を把握することができます。
たとえば、書類の整理をしていくと、「この書類は要らない」ということがわかります。
さらによくよく考えてみると、実は「その書類にまつわる業務そのものが不要だ」ということが分かったりします。
そうすると、これまで「10」のボリュームだと感じていた自分の業務が、実は「7」に削減できるのだ、ということが理解できたりするのです。
労力が削減できることに加え、そこに取られていた時間を他のアウトプットに使える、となれば自分自身が嬉しいわけですから、どんどん整理・整頓をしていこう、という気持ちになります。
このような気持ちがベースにあれば、「デジタル化することで、もっと効率化・高品質化しよう!」という意欲が湧いてくるはずです。
④ルールを守る風土ができる
そうじには、「守るべきルールを決め、決めたルールを守る」という側面があります。
たとえば、「何を捨て、何を残すか(整理)」というのも、判断基準(ルール)がなければ、やりようがありません。
「どこに何をどのように置くか(整頓)」というのも、ルールです。
あるいは、掃いたり拭いたりするのも(清掃)、「いつ、誰が、どこを、どのように」やるのか決めなければ、うまく進みません。
つまり、すべてが「守るべきルールを決め、決めたルールを守る」という行為なのです。
そうじ(整理整頓)を進めていくと、社内にルールを守る風土ができてきます。
この風土があることで、「このITシステムをこのように活用しましょう」というルールが守られることになります。
そうじ(整理・整頓)をせずにデジタル化すると…
上記のとおり、”そうじ”をすることで、はじめてDX(IT化、デジタル化)の下地ができるのです。
これをやらずに、安易にITシステムやクラウドを導入すると、以下のような困った事態を招くことになります。
デジタル化のメリットが享受できない
誰がどんな業務をどのようにしているのかが分からないわけですから、
「さほど重要でない業務がデジタル化される」
一方で、
「重要な業務が手作業のまま残る」
なんてことが起こります。
たとえば、とりあえず目についた書類を片っ端からスキャンしてPDF化してみたものの、実はそれらは捨てても良い書類で、重要な書類はデスクの引出の奥に眠っている、なんてトンチンカンなことは、実際よくあることなのです。
また、整理せずにデジタル化してしまうと、クラウドの容量をいたずらに大きくしなければなりませんが、実は整理をすれば、そこまでの容量は必要ない、ということにもなります。
個人差が出てしまう
個人の意識がバラバラのままなので、人によってデジタル化が進む人と、旧来のままの人との差が大きくなってしまいます。
ある人はデジタル化に積極的で、どんどん活用しているにもかかわらず、ある人は十年一日のごとく昭和のやり方のまま、なんてことになります。
たとえば脱ハンコをするためにシステムを導入したはずなのに、なぜか一旦紙に印刷し上長に持って行かなければならない…など。
こうなると、デジタル化することで、経営者と社員の溝や、社員同士の溝が深まり、かえって企業風土が悪くなってしまいます。
デジタル化を厭う雰囲気を作ってしまう
「改善することのメリット」を経験することなくデジタル化を進めてしまうと、各人は、デジタル化にかかる手間暇を、かえって余計な手間暇ととらえて、面倒くさがるようになってしまいます。
整理・整頓・清掃は、その瞬間だけ切り取ってみれば、面倒くさい作業です。
でも、その先に、「仕事が楽になる」「ミスが少なくなる」「快適になる」「職場が明るくなる」といったメリットがあるので、その経験を積んでいると、目の前の面倒くさい作業に対して、厭う気持ちがなくなり、積極的に取り組めるようになります。
しかし、こうした経験がない人は、業務そのもの以外の活動、つまり改善活動に対して、「面倒くさい」「時間がもったいない」という気持ちを持つことでしょう。
結果として、デジタル化は遅々として進まない、ということになります。
デジタル化のルールが守られない
ルールを守る土壌がないので、せっかく高機能のITシステムを導入しても、それが有効に活用されないのです。
たとえば、スケジューラーに予定を入れろと言っているのに、いっこうに入れない人がいる。
勤務管理システムを導入したのに、出退勤時にIDカードをカードリーダーにタッチしない人がいる。
業務に関わるデータは、共通サーバ―に格納するルールになっているにもかかわらず、個人のPCのハードディスクに格納している人がいる。
などなど。
だからこそ、デジタル化の前には、必ず”そうじ”が必要なのです。
まとめ DXを進める前に、まずそうじをしよう
”そうじ”をすることではじめて、デジタル化がうまくいきます。
まず、業務の「見える化」がされることよって、
「どのようなITシステム(ソフト、ツール、クラウド)を導入し、どのように運用していけばよいのか」
が、明確になります。
そして、「見える化」を進めていく過程で、オープンかつコミュニケーションが活発な風土が生まれ、
「全体に最適なITシステム(ソフト、ツール、クラウド)の選定ができ、運用方法にも各人の意見が反映され、妥当なものにブラッシュアップしていく」
ことができるようになるでしょう。
そして、”そうじ”によってルールを守る風土ができていることにより、
「各人が、ITシステム(ソフト、ツール、クラウド)の運用ルールを守り、効果を追求していく雰囲気」
が醸成されます。
こうして、「デジタル化によって、会社も良くなり、各人も良くなり、お客様も良くなる」という「三方良し」が実現できるのです。
「さあDXだ!」と意気込むあなた。
ぜひともまずは”そうじ”から始めてみてくださいね。
わたしたちは、
”そうじ”で組織と人を磨く、
日本で唯一の研修会社です。
◆社内が乱雑なことにお悩みの経営者様
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