ビッグモーター不正問題と環境整備【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

ここのところ、ビッグモーター社の不正問題が世間を騒がせています。
新聞やテレビの報道の中で、街路樹が除草剤で枯らされたことに関連して、同社の「環境整備点検」という制度が、悪さをしていた可能性が指摘されています。

環境整備はあくまでも手法でありツール、環境整備そのものに罪はありません。
日本中に、環境整備を通じて素晴らしい組織を作っている会社はたくさんあります。

それでは、ビッグモーターでは、なぜ環境整備が不正に繋がってしまったのでしょうか?

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環境整備を行うことで必ず得られる「ある効果」とは

環境整備とは何でしょうか?

環境整備とは、企業における「規律・清潔・整頓・安全・衛生」の活動のこと。

製造業などでよく行われる「5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」や、私たちが「そうじ」と呼んでいる活動と、ニュアンスの違いこそあれ、アクションの概略としては、ほぼ同じです。

環境整備の直接的な効果は、安全性と生産性と快適性の向上。
これは、どんな企業がどのように取り組んでも、必ず得られる効果です。

もうひとつ、環境整備を行うことで必ず得られる効果に、社内のベクトルが合う、というものがあります
つまり、トップから末端まで、同じ方向を向くことができるのです。

環境整備はあくまでも手法でありツール、環境整備そのものに罪はありません。
日本中に、環境整備を行っている企業はごまんとあります。
環境整備を通じて素晴らしい組織を作っている会社はたくさんありますし、弊社も、まさにそのお手伝いをするのが業務であります。

では、ビッグモーター社と私たちでは、何が違うのでしょうか?

目的の違いが、プロセスの違いに反映される

まず、「目的」が違います。

推測ではありますが、おそらくビッグモーター社経営層にとっての環境整備の目的は、「社員を経営者の意のままに従わせること」だと思われます。
先述したとおり、環境整備にはベクトル合わせの効用があり、それを悪用したと言えるでしょう。

対して、私たちが環境整備に取り組む目的は、「各人の自立性を育て、互いに協力し合う社風の構築」です。
このように、目的が正反対なのです。

そして目的の違いは、当然、プロセスの違いに反映され、運用されます

ビッグモーター社では、マスコミを賑わせた「環境整備点検」という定期チェックが行われ、そこで減点されると、減給や降格というシビアなペナルティが課せられると言います。
これはかなり激烈な強制力となります。
また、記事には書かれていませんが、おそらく、加点の場合には昇給や昇格といったご褒美が用意されていることでしょう。
いってみれば、同社では、アメとムチによって、環境整備が行われているのです。

対して、私たちの活動のプロセスでは、社員の自発性と創意工夫を尊重します。
もちろん、だからといって、経営サイドが何もせず、現場に任せっきり、ということでもありません。
弊社の支援企業においては、定期的に活動日を設けて、任命されたリーダーが活動内容を企画し、それを皆で実践したり、定期的な勉強会を開いて、「見る・見られる」機会を設けて、お互いに刺激し合ったりしています。

定期的に現場の巡回チェックをしている企業もありますが、それは、ビッグモーター社のように、「点数をつけて業績評価に反映させる」というものとは違います。
「良いものは良い。悪いものは悪い」ときちんと現場に伝え、より良くするための改善のアイデアを、トップと現場が一緒になって考える機会なのです。

また、盛り上げ策として、定期的な発表会や表彰といったイベントを組むこともあります。
発表会があることで、普段から良い緊張感をもって活動にあたることができます。
また、誰でも表彰されれば嬉しいもの。
表彰は意外に盛り上がります。
チームごとの表彰の場合には、チーム内の団結力を強くする効果もあります。

「見た目」は似ている。でも「風土」は180度違うものになる。

実は、強制力を使う場合と自発性と創意工夫を尊重する場合、どちらの場合にも、「見た目」の結果は、似たようなものになります。
つまり、「整理・整頓・清掃の行き届いた環境」ができあがるのです。

この「見た目」だけを見てカン違いする人も、結構います。
「ああ、整っている良い会社だ」と。

ところが、内面的結果は、180度違うものになります。
内面的結果とは、「風土」つまり企業における「社風」のことです。

ビッグモーター社のようなケースは、「上意下達」の風土、あるいは「全体主義」の風土になります。
上司の言うことには無条件で絶対服従。
だからこそ、チェックリストにあることや、上司に指示されたことしかやりません。
自分たちで考えて工夫して物事を行うことをしません。
また、とにかく周りと同じことをやろうとします。
それが合法的なことか、倫理的なことか、お客様や地域のためになることなのか、といったことは考えません。
周りと同じことをやることが正解となってしまうのです。

対して、私たちの場合には、「自由闊達で柔軟」な風土になります。
発想の原点は、どうすれば、社内で働く人間同士が、より良く働けるようになるのか、ということ。
それぞれが、自ら「役立つ」行動を起こすことを起点とし、それを周りに拡げていきます。
直面する問題を改善するために、一人だけでなく皆で一緒に知恵を出し合い、トライ&エラーを繰り返しながら、より良い方法を探っていきます。

こうした企業においては、それぞれの行動が周囲を喜ばせ、全体の活動が一人ひとりにとって喜ばしいものとなる、好循環が回っています。
つまり、「にこにこサイクル」が回る社風になるのです。
まさに、「良い社風」の企業になっていくのです。

このように、同じ手法を用いても、目的やプロセスが違うと、結果は180度違ったものになるのです。

根本は、経営者の理念(哲学)

ところで、こうした目的やプロセスの違いは、いったいどこから来るものなのでしょうか?

マスコミはよく、「利益至上主義の弊害」などと言います。
しかし、企業にとって、利益を求めるのは当然のこと。
良い企業が儲けることは、決して悪いことではありません。
利益を否定しても、コトの本質は見えてきません。

根本は、経営者の理念(哲学)だと思います。
理念ある企業経営者の根本には、「企業は世の中の役に立つために存在する」という哲学があります。
一方で、理念不在の企業経営者の根本には、「企業は私腹を肥やすために存在する」というような考えがあるのだと思われます。

弊社は、創業以来一貫して、「各人の自立性を育て、互いに協力し合う社風の構築」を目的とした環境整備の推進のお手伝いをしてまいりました。
これからもまったくブレることなく、この信念を貫いてまいります。

わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く日本で唯一の研修会社です。

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どうぞお気軽にご相談ください。

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