研修は不要?中小企業のチームビルディングは「環境整備」から!【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

社員数が少ない中小企業にとって、チームワークの質を高めることは、業績に直結します。

人数が少ないときは「あうんの呼吸」や「明文化されていない社内慣習」でが通用していたのに、会社の規模が大きくなるにつれ、それが通じなくなってくることに頭を痛めている経営者は多いです。

中小企業にとって、一体どのような施策がチームビルディングに有効なのでしょうか?

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チームビルディングとは何か?

業務遂行上欠かせないチームビルディング

会社における業務を遂行する上で、チームワークは欠かせません。
組織である以上、それぞれが何らかの役割を担い、お互いに分担、補完し合っているはずです。
それらが有機的なつながりを持つことで、はじめて組織としての強みが発揮されます。
それぞれの関係が断たれた状態では、組織としての意味はないといっても良いでしょう。

そうした有機的なつながりを担保するための方策として、組織図や業務分掌、マニュアルなどが存在します。
しかし、そうした目に見える「形」だけでは、実際の組織は機能しません。
なぜならば、組織を形成するのは「感情」がある人間だからです。

チームがチームとして機能するためには、目に見えない「絆」「つながり」が必要なのです。

飲み会などの社内行事は必須なのか?

「絆」や「つながり」を醸成するために、よく行われるのが、飲み会です。
「飲みにケーション」という言葉が既に市民権を得ているように、会社によっては、飲み会を正式行事化して、奨励しているところもあります。
また、社内の運動会(ソフトボール大会、釣り大会など)や社員旅行などのレクリエーションに力を入れている会社もあるでしょう。

こうしたレクリエーションには、確かにコミュニケーションを促進する一定の効果があります。
しかしながら、それらには

  • 一過性で終わってしまうこと
  • 業務に直接生かせないこと
  • 業務外の時間を充てるため、不満に思う社員も発生する

という風に、残念なところがあります。

研修やゲームは有効か?

一方で、チームビルディングを目的とした研修やセミナーもあります。

  • 1~2時間の講演を聴くもの
  • 1週間くらい缶詰にして行う合宿研修
  • 数か月にわたり定期的に集まり、宿題が出され、それをこなしていく

など、様々な形態のものがあります。

最近では、座学ではなく、ゲームなどを取り入れて、アクティビティを中心にしてチームビルディングを体感させる研修も増えています。

こうした研修やセミナーにも、もちろん一定の効果は期待できます。
しかし、これらは言わば「カンフル剤」。
会場で仲間と得た「熱いやる気」は、一日経つと日常に飲み込まれ忘れられてしまいます。

また、研修の場と実際の業務の場とでは、違う人たちとチームを組まざるを得ず、研修と現実が乖離してしまう恐れもあります。

そこでお勧めしたいのが、そうじ(整理・整頓)を通じたチームビルディングです。

そうじ(整理・整頓)がチームビルディングに有効な3つの理由

チームビルディングを高めるために、私はまずは、そうじ(整理・整頓)に取り組むことをお勧めしています。
その理由は3つあります。

共通の目標に向かって、上下関係なく一緒に汗を流せる

”そうじ”には、社内環境を改善していくための目標があります。

「倉庫の不要物を、今年中に整理する」
「6月までに、事務所のデスクを机上ゼロにする」
「来月までに、営業部フロアの床面をピカピカにする」

こうした目標に向かって、チームメンバーが一緒に汗を流します。

そこには、上下関係はありません。
あるのは、リーダーとフォロアー、あるいはメンバー同士の役割分担です。

社長ももちろん一緒に、リーダーの指示に従ってそうじをします。
社長以下全員が、同じものごとの解決に意見を言い合い、一緒に汗を流す(行動する)ことが、連帯感を生みます

一つの「モノ」を処分するのに、時には古参社員と新入社員とで対立したりします。
外回り営業や、事務員が、全身泥だらけになって、現場社員と共に苦労しながら機械を磨くこともあります。

それらの共通の経験が、相手への思いやりを育んでいくのです。

互いの利害関係を越えた活動ができる

そうじ(整理・整頓)のもうひとつの利点は、互いの利害関係を越えた活動ができる、ということです。

実務上では、同じ会社内であっても、利害関係というものがあります。
例えば、「お客様を大切にしたい営業」と「納期厳守とコスト削減を両立しなければならない現場」など。
組織が大きくなると、それが社内政治というドロドロしたものに発展していきます。

そうじ(整理・整頓)は、「縦横の取り組み」です。
部署も上下関係も縦横断し、問題の解決に取り組みます。

例えば「モノが捨てられない」背景には、様々な部署や立場の思惑が絡んでいることが多くあります。
モノを一つ処分するのに、他部署に協力してもらわないと進まないのです。

しかし、ひとつの部署の課題を、他部署の協力により解決することで、自ずとその波が他の部署へと広がっていきます。

「協力してもらったから、協力してあげたい」
その気持ちが、利害関係をほどいていくのです。

③業務の改善にもつながる

そして、そうじ(整理・整頓)を通じたチームビルディングの最大のメリットは、それが業務改善にもつながる、ということです。

整理・整頓された職場は、どこに何があるのかがすぐに分かり、ロスがありません。
その結果、残業時間が削減できた、という事例がたくさんあります。

建築現場などにおいては、整理・整頓を進めることで危険が取り除かれ、事故やケガが減ります。
ピカピカに磨いた床面を保つために、床面を汚したり傷つけたりしないように丁寧に作業し、その結果、製品の品質が向上した、という事例もあります。

”そうじ”におけるチーム運営においては、リーダーとフォロアーという役割分担があります。
ここで習得したリーダーシップやフォロアーシップは、業務においてもそのまま生かせるものです。

また、研修や飲み会などの一過性のものと違って、そうじ(整理・整頓)は日々の中で取り組むもの
会社が続く限り、永遠に続いていくものだからこそ、日々の積み重ねが強いチームを作り出していくのです。

成功事例

ここからは、そうじ(整理・整頓)に取り組み、チームビルディングが高まった事例をご紹介します。

一匹狼集団にチームワークが生まれた!

兵庫県篠山市にあるMランド丹波ささ山校は、ユニークな自動車教習所です。
ここには30人ほどのインストラクター(教官)が勤めていますが、彼らは職種的に、「一匹狼」の気質を持っています。
それぞれが独立した「教官」であるために、横のつながりが弱く、上下関係もないフラットな組織のため、チーム力が弱いという面がありました。

ここで、「そうじの力」の取り組みとして環境整備(整理、整頓、清掃)をはじめたのですが、その時に、ある”仕掛け”を導入しました。
それが、全社員を無作為に分けるチーム制です。

それぞれ6~7人ずつのチームを5つ組成し、チームごとに活動を行うようにしました。
チームメンバーは、業務上の職制や機能に関係なく構成されています。

当初は、なかなか横の連携がうまくいかず、活動が停滞するような場面もありました。
しかし、徐々に横のつながりができ、チームワークが良くなっていきました。

リーダー役に任命されたのは、比較的若手の社員たち。
それぞれのリーダーが、チーム内のメンバーに声を掛けたり、SNSで連絡を取り合ったりして、チームを盛り上げていきます。
その結果、以前に比べて、社内のコミュニケーションが格段に良くなり、全社の団結力が強くなりました。

あるチームリーダー曰く、
「チーム内のあるメンバーとそりが合わず、以前はあまり話もしたことがありませんでした。
でも”そうじの力”の活動を通じて、自然と会話ができるようになり、その人に対する苦手意識もなくなったんです」

部門横断チームが会社の新しい流れを作った!

島根県西部で路線バスを運行する石見交通(株)。
バスの運航のために、運転士だけでなく、整備工場や運行管理部門、そして経理や労務といった間接部門など、多岐にわたる組織が存在します。

また、同社には関連会社(子会社)として、旅行代理店やガソリンスタンド、プロパンガス供給会社などがあり、グループ全体では、さらに大きな規模となります。

そのため、以前は、同じ社内でも、部門が違えばほとんど話もしたことがないような関係でした。

まして、法人が違えば、同じグループ会社とはいえ、まったく顔も名前も知らない、という状態が当たり前。

ところが、この「そうじの力」の取り組みを始めて、状況は一変しました。
石見交通(株)単体だけでなく、グループ会社全体で環境整備に取り組んだのです。

毎月の「そうじの力」ミーティングには、社内の各部署から選抜された推進メンバー、グループ会社からも同様の推進メンバーが集まり、一堂に会して研修や情報交換が行われます。

また、実際の整理・整頓・清掃の作業においても、それぞれの部署が単独で行うのではなく、他部署の社員も混じって一緒に作業を行うようにしました。

たとえば、整備工場の部品倉庫は、当初、モノが散乱してカオス状態でした。
そこを整理・整頓するには、かなりの労力が要ります。
そこに、経理や労務、運行管理部門のメンバーが応援に駆けつけ、彼らもツナギを着て、工員と一緒に整理・整頓を行いました。

こうして多くの人手を投入できたことで、作業が楽になっただけでなく、作業を通じてのやり取りがコミュニケーションを促進し、横のつながりが出来てきました
その結果、同社の社内のコミュニケーションが良くなっただけでなく、グループ全体のコミュニケーションも劇的に向上したのです。

また、こうした取り組みを通じて、推進メンバーのリーダーシップが育まれ、次代のリーダーが生まれてきました
小河英樹社長は、「”そうじの力”の推進メンバーが、間違いなく将来のわが社の幹部になっていく」とコメントしています。

営業チームの団結力と業績が向上!

埼玉県深谷市の(株)小池勝次郎商店は、農業用の資機材の販売と、農産物の直売所を経営する会社です。
同社では、環境整備に取り組む前は、倉庫も事務所も店舗も、モノモノモノで溢れかえっていました。
それを少しずつ整理していき、広いスペースと誰もが分かりやすい環境が整ってきました。

面白かったのは、外販部と呼ばれる外回りの営業部隊です。

外販部の事務所は当初、書類の山でした。
デスクには書類が山積み、足下にも書類の束、そして壁にはベタベタと多数の掲示物。
それらを、外販部全員で一緒になって整理していきました。
その過程で、いろいろな会話が生まれ、部内のコミュニケーションが良くなっていきました。

極めつけは、個々人のデスクを廃止し、フリーアドレスを導入したことです。

それまでは、部屋の端に各人のデスクが並び、お互いにお尻を向けて座る形だったのですが、部屋の真ん中に楕円形のテーブルを配置しました。
そうすることで、テーブルに着くと、他の社員と向かい合う形になり、嫌でも顔を突き合わせることになります(笑)。

こうした場で、さまざまな情報交換がなされ、営業に関する連携もうまく取れるようになってきました。
その結果、外販部の営業成績がグッと伸びたのです。
目標数値に対しても、部として一致団結して達成する機運が生まれてきた、といいます。

まとめ

チームビルディングのための研修や飲み会が全く不要か?と聞かれれば、そうは思ってはいません。
私自身、今までのキャリアの中で、そうした研修やセミナー、飲み会、レクリエーションなどで得たものも、たくさんあります。

しかし、上述したように、これらには、「一過性で終わってしまう」「直接の業務上の効果が少ない」という欠点があります。
それらの欠点を補うのが、そうじ(整理・整頓)を通じたチームビルディング。

「継続性がある」「直接の業務上の効果がある」そうじの活動をベースとして日々行う上に、研修や飲み会を組み合わせれば、その効果は2倍にも3倍にもなることでしょう。

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