パソコン内の環境整備が業績アップのカギ!データ整頓4つのコツ【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

「整理・整頓」と言うと、書類や工具といった物理的な「物」を思い浮かべることでしょう。
ところが、現代においては、それに加えて、パソコン(PC)やスマホの中にある「電子データ」の整理・整頓が欠かせません。

しかし、物の整理・整頓に比べて、電子データの整理・整頓は、物理的に目に見えないもの。
その必要性があまり認識されていないと同時に、どのように整理・整頓したらよいのかが分かりにくい、という特性があります。

ただ実際には、電子データの整理・整頓をきちんとするかしないかで、企業の業績は大きく変わっていきます。

今回は後編、電子データの整頓についての解説です。

前編はこちら

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さて、整理が終わったところで、ようやく整頓に移りましょう。

※整理編はこちら

整頓のコツ①:フォルダ体系を整える

前述したとおり、クラウドにデータを保管するということは、多くの社員がアクセスするわけですから、使いやすいフォルダ体系を整えなければ、社内に多大なロスを生じさせることになります。

使い方に合ったフォルダ体系にする

フォルダ体系を考えるときに大事なのは、「どのような使い方をするのか?」ということです。
例えば、「A社請求書」「A社契約書」「A社見積書」「B社請求書」「B社契約書」「B社見積書」「C社請求書」「C社契約書」「C社見積書」というデータがあった場合に、フォルダの第一階層の作り方としては、

  • 「A社」「B社」「C社」という、顧客別のフォルダにする方法

または、

  • 「請求書」「契約書」「見積書」という、機能別のフォルダにする方法

この大きく2通りがあります。

そのどちらを選ぶかで、第二階層以下の並びは、まったく違ってきてしまいます。
どちらを選ぶかは、普段の仕事の中で、どのような使い方をしているのかを考慮して決めねばなりません。

誤ったフォルダ体系を選択してしまうと、使いづらいものになってしまい、会社全体として非常に大きなロスを生じることになります。
現場の社員の意見をしっかりと集約し、実態に即したフォルダ体系を作りましょう。

個人ごとのフォルダは廃止する

ありがちなのは、「山田フォルダ」「田中フォルダ」「鈴木フォルダ」などと、社員の個人名のフォルダを作ってしまうことです。
これでは、本人にしかアクセスができず、社内で共有することができません。
本人不在時の対応などもできません。

管理が個人任せになってしまい、フォルダ内が無法地帯になってしまうこともあります。
担当者の識別は、フォルダ名ではなく、後述するようにファイル名で行うべきでしょう。

誰もが分かるフォルダ名にする

フォルダ名については、誰もがアクセスできるように、わかりやすい名前にしなければいけません。
たとえば、「業務」というフォルダ名だとすると、何の業務かわからず、結局はそのフォルダをクリックして中身を確認することになってしまい、無駄な労力が発生します。

あるいは「その他」というフォルダ名。
何でもかんでも「その他」に格納してしまい、その結果、フォルダの内部がしっちゃかめっちゃかになってしまいます。

おススメは、「数字+名称」。
たとえば、「2021年度固定資産税」。
これならば、迷わずすぐにアクセスできます。

階層は3~4層くらいにとどめる

上記と密接に関連しますが、フォルダ体系は、あまり何階層にもしないほうが良いでしょう。
クリックする回数が多いほど、労力のロスが発生します。

特に、第一層目のフォルダ数を少なくしようとすると、無理が生じます。
たとえば、「業務」というフォルダを作って、その中に「経理」「総務」「人事」というフォルダをぶら下げてしまうと、いちいち「業務」フォルダをクリックしなければなりません。

そうではなく、この場合は、第一層目に「経理」「総務」「人事」というフォルダを配置して、ダイレクトにアクセスできるようにします。

なるべくクリック回数を少なくでき、かつ、フォルダ内をパッと見たときの視認性が良い、バランスの取れたフォルダ体系にしましょう。

経験的には、一つのフォルダ内の下位フォルダ数は10~20個くらい、フォルダ階層は3~4層くらいが、使いやすいようです。

整頓のコツ②:ファイル名を統一化する

個人が自分のハードディスクにそれぞれのファイルを格納する場合、ファイル名の付け方は、各個人が「なんとなく」「適当に」「バラバラに」つけていることでしょう。

これでは、同僚と共有はできませんし、自分自身も、いざという時に、「あれっ、あのデータはなんという名前で保存したんだっけ?」となって、検索に時間がかかってしまいがちです。

他人と共有化し、スピーディーかつ正確にアクセスするためには、ファイル名の付け方について、しっかりとしたルールを確立する必要があります。

検索しやすいファイル名にする

ファイル名は、PC内を検索する際に、どんなキーワードで検索するのかを考慮して、そのキーワードの組み合わせで作ります。
たとえば、「日付」「顧客名」「商品名」「業務名」「バージョン名」「担当者名」などです。

例)

  1. 日付(作成日を西暦、月、日を半角数字の8桁で入力)
  2. 分類1(顧客名、伝票名、書類名、商品分類など)
  3. 分類2(目的、検索用、保存用、検討用、永久保存、決定版、書類の該当期間など)
  4. 分類3(その他、担当者名など)

具体例⇒「20191226 帝国銀行発注書 保存用」

こうすれば、誰もが迷わず目的のファイルを検索することができます。

なお、細かいことですが、日付を「半角」で記入すると決めたら、必ず半角で記入し、決して「全角」にはしないことです。
全角にすると、検索が不可能になり、せっかく決めたルールのメリットが発揮できなくなります。

このようにファイル名のルールを決めたら、

  • 「半角」なのか「全角」なのか
  • 「スペース」を入れるのか入れないのか
  • それは「半角スペース」なのか「全角スペース」なのか

といった細かいことまで規定し、それらを各人に守ってもらうように周知徹底しなければなりません。

誰でもわかるファイル名にする

上記の条件を満たしていても、ひとりよがりなファイル名では困ります。
たとえば、「20200901 山田様メモ(小早)」では、担当者である小早氏以外は、内容がまったく類推できません。
これを、「20200901 山田太郎様クレーム内容(小早)」とすれば、担当者以外でもおおよその見当がつきます。

ファイル名の命名にあたっては、たとえ担当者が突然、病気や事故に遭って長期不在となったとしても、周りの同僚がバトンタッチできるくらいの「わかりやすさ」を心掛けるとよいでしょう。

整頓のコツ③:デスクトップは「机上ゼロ」にする

PCのデスクトップは、常に「ゼロ」にしておきたいものです。
ときどき、デスクトップがファイルやショートカットのアイコンで埋め尽くされているPCを見ることがありますが、あまり気持ちの良いものではありません。


目がチカチカして不快になりますし、何よりも、何かに追われているような感覚がして、落ち着きません。
このような状態では、目的のファイルやフォルダに到達するにも時間がかかり、ミスも起こりがちです。

スッキリとしたデスクトップは仕事がはかどる

ファイルは指定されたフォルダに格納するのがルールです。
作成途中のものであっても、デスクトップには保存せずに指定フォルダに保存するクセをつけましょう。

デスクトップには、よく使うソフトやフォルダへのショートカットを少数配置するだけにしましょう。
何もないクリアなデスクトップは、見ていて気持ちが良く、仕事もはかどるもの。
起動したときに、気持ちよく仕事を始めることができるでしょう。

スマホ画面のアイコンも最小限に

最近では、出先においてスマホやタブレットで業務をすることも増えてきました。
スマホで気を付けていただきたいのは、画面に並んでいるアイコンです。

デフォルト(既定)でついているアイコンすべてを並べた上に、後からダウンロードしたアプリも多数並べていて、画面がアイコンだらけになっているスマホがありますが、感心できません。
使わないアイコンは、邪魔なだけです。

上述した「整理」の考え方に従って、一年以上使っていないアイコンは、削除しましょう。
アイコンを削除しても、アプリそのものが削除されるわけではないので、万が一、使いたい時が来ても、復活させることができます。

必要最小限のアイコンしか並んでいないスマホ画面は、機能的で、気分も軽くなります。

整頓のコツ④:セキュリティを強化する

ネット社会において、我われは常にサイバー攻撃の危機にさらされています。
セキュリティについては、会社として、きちんとルール作りをし、仕組みを整えなければなりません。

セキュリティに関するルールを明確化する

いたずらにサイバー攻撃にさらされる機会を増やさないために、社員の行動を制限する必要があります。

たとえば、会社から支給されたPC以外のPCを使って、業務を行わないこと。
プライベートなPCを使ってウィルスに感染すると、ネットワークを通じて会社全体のデータが盗まれたり破壊されたりしてしまう危険があります。

同様な理由で、会社が認めた以外のメルマガを、社員個人が受け取るのを禁ずることも、検討した方がよいでしょう。
身元不明のメルマガを開いた途端にウィルスに感染する、という被害もあるようです。

こうした、セキュリティに関する決めごとを、きちんと明確化し、周知徹底しましょう。

セキュリティソフトを導入する

もちろん、セキュリティソフトについては、信頼性の高い物を導入するべきでしょう。

会社独自の専用サーバーを持っている場合には、そのサーバーにセキュリティ機能を組み込めばよいわけですが、サーバーを持っていない場合には、会社として保有するすべてのPCやスマホに、セキュリティソフトをインストールします。

会社によっては、PCやスマホはかなりの数になるはずですが、セキュリティソフトによっては、「一つのライセンスでPC5台までインストール可能」というような割引の設定があるので、上手に購入すれば、それほどの出費にはならないはずです。

どのセキュリティソフトが良いのか、ということになると、様々な視点から色々なご意見があろうかと思いますので、お取引のある事務機器販売店さんなどに相談してみると良いでしょう。

なお、スマホについては、現状、iPhone はセキュリティが高いために、セキュリティソフトは不要で、Android スマホについては、セキュリティソフトをインストールしたほうが良いようです。

まとめ 一番大事なことは、「ルールを明確化し守ること」

PC内データの整理整頓は、どうしても専門的な話もあり、難しく感じられる面があるのは事実。
ですが、結局、一番大事なのは、「ルールを明確化し、それを守る」ということです。

まず、ルールが無い、もしくはあっても曖昧、という状態では、ルールを守りようがありません。
そして、いったんルールを決めたとしても、それが守られなければ、これまた何の意味もありません。

そして何より、業務を行う社員自身が扱いやすいルールでないと、「運用でカバーする」といった謎の別ルールが生まれてしまうことになります。

ルールを明確化し守るためには、

  • リーダーが強い覚悟を持って、自らルール決めにコミットし実践し旗を振る
  • 各メンバー同士がコミュニケーションを取りながら、皆でルールを作り上げていく
  • 課題を常に共有し、解決するサイクルを回していく

という、地道な取り組みが必要です。

物理的な環境整備の経験が積み重なっていれば、電子データの整理整頓も同じように進めていくことができることでしょう。

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