こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
「整理・整頓」と言うと、書類や工具といった物理的な「物」を思い浮かべることでしょう。
ところが、現代においては、それに加えて、パソコン(PC)やスマホの中にある「電子データ」の整理・整頓が欠かせません。
しかし、物の整理・整頓に比べて、電子データの整理・整頓は、物理的に目に見えないもの。
その必要性があまり認識されていないと同時に、どのように整理・整頓したらよいのかが分かりにくい、という特性があります。
ただ実際には、電子データの整理・整頓をきちんとするかしないかで、企業の業績は大きく変わっていきます。
今回は、電子データの整理・整頓について解説します。
「社内見直しポイント」が確認できる!
社長のための環境整備チェックシート、無料公開中!
⇒ダウンロードはこちら
目次
電子データの整理・整頓が必要な理由
「そもそも、電子データを整理・整頓する必要なんて、ないんじゃないの?」
という疑問を持たれる方もいるかもしれません。
今や、ハードディスクの容量は○○テラバイトという時代。
ちょっとやそっとでは容量はいっぱいになりません。
また、グループウェアを使っていれば、「誰が」「いつ」編集したか、記録が残ります。
ですので、
「検索すれば、すぐにアクセスできるから、不要なファイルがたくさんあることなど、気にする必要はない」
と、データを選別して削除したりといったことをせず、どんどん溜めておけばいいじゃないか、という意見が出ることもうなずけます。
それでもデータに手を付けるべきなのはなぜでしょうか?
理由は大きく2つあります。
自分以外の人間が、すぐにアクセスできるようにするため
個人で使用するだけのハードであれば、どんなファイル名をつけようが自由です。
しかしチームで仕事をする以上、「自分以外の人間がアクセスする」ことを前提にしなければなりません。
もし緊急の用事で、何日も会社を休まなければならない事態が生じたら。
そんな時に、急ぎで対応しなければならない事案が発生したら。
「○○さんしか把握していないもの」を社内に存在させておくことは、スピードが命の時代に大変なリスクとなります。
自分以外の人間が、すぐに判断できるようにするため
サーバー容量的には余裕があっても、不要なデータがたくさんあれば、それらが邪魔になる、ということには変わりはありません。
使いたいファイルを探す過程で、不要なファイルがたくさんあって、なかなか目的のファイルにたどりつけない、ということになりかねません。
たとえ検索するにしても、
「△△社見積最終」
「△△社見積最終(改善版)」
「△△社見積最終@」
「△△社見積最終(改善版)(部長チェック済)」
「△△社見積_最終@(改善版)(これで本当に最後!)」
なんていうファイルが乱立していたりしたら、担当者不在の際、全部を印刷して確認しなければならない、なんてことをしなければならないかもしれません。
つまり、電子データの世界においても、
- 不要なファイルを極力少なくする(=整理)
- 必要なファイルがわかりやすい形で保存されている(=整頓)
この2つは、仕事のスピードと正確性を高めるために、必須なことなのです。
電子データ整理・整頓の合格基準
整理整頓というのは突き詰めても終わりがないもの。
なので、特にチームで整理整頓を進める際には「合格基準」が必要です。
いろんな基準の決め方があると思いますが、最初は次の3つを合格基準とすると良いでしょう。
①必要なデータが、30秒以内に取り出せる
電子データが整理・整頓されているかどうかの合格基準として、
「必要なデータが、30秒以内に取り出せる」
ことを目安にするとよいでしょう。
まずは自分だけで。
クリア出来たらチームメンバーでお互いに検索してみると良いでしょう。
②デスクトップ上に不要不急なアイコンがない
このようなデスクトップ画面を見て、どのように感じるでしょうか?
ごみごみとして、なんだか締切に追われているような気分になりませんか?
常にタスクに追われている方が仕事がはかどるというメンタルの人は良いかもしれませんが、多くの人は
「もうちょっと綺麗にしなよ…」
と感じるのではないでしょうか。
直感で「気持ちが良い」「気持ちが悪い」というのも、重要な指標になります。
③デスクトップ上にファイルを直置きしていない
「今まさに編集しており、いつでも簡単にアクセスできるようにしておきたいから」
という理由で、自分が使用しているファイルをローカルのデスクトップ上に移動している、ということもあるかと思います。
これも、「一緒に働く仲間と共有できている」「コンプライアンス」という観点で見るとNGでしょう。
常に、「自分だけがわかる」という状態ではなく、「一緒に働く仲間と共有できているか」を考えることが、企業組織の生産性や組織風土に大きく関わってきます。
【中小企業向け】データ整理整頓虎の巻(整理編)
さて、それでは早速電子データの整理整頓に取り組んでいきましょう。
記事が長くなるため、整理編(本記事)・整頓編に分かれています。
何よりもすべきは、まず「整理」。不要なデータを捨てよう
電子データの整理・整頓の取り掛かりは、やはり、「物」の整理・整頓と同様に、「不要なモノを捨てる」というところからはじめます。
不要なデータを捨てることで、PCの容量が軽くなります。
不要なものを捨てずに次のステップに進むと、要らないデータのファイル名を書き換えたりといった、無駄な作業が発生してしまいます。
また、不要なデータを捨てて、全体のファイルの総量が減れば、フォルダ体系もシンプルなものにできるはずです。
とは言っても、データの「要・不要」にも判断基準が必要ですね。
下記4点を参考にしてみてください。
整理のコツ① 1年以上開いていないデータは捨てる
パッと見て、要るのか要らないのか、判断を迷うデータ。
ここでもやはり、「物」と同様に、「一年間使っていないものは捨てる」という原則を適用すればいいでしょう。
ビジネスは通常、12か月単位で動いていますから、必要なものは、過去12か月以内に何らかの形で使用しているはずだからです。
ですから、「過去12か月の間に開いていないファイルは、(迷ったら)捨てる」ということでよいのです。
ちなみに、ファイルにカーソルを当てると、最終アクセス日が表示されるので、記憶に頼って「使ったかどうか」を確認する必要もありません。
ただ、「自分以外の人が参照している可能性のあるデータ」の場合は、必ず関係者に合意を取ることを忘れないようにしましょう。
整理のコツ② 開かなければ分からないデータは捨てる
もうひとつ、捨てるべきかどうか迷ったときのガイドラインとして、「開かなければ分からないデータは捨てる」というのがあります。
ファイル名をいい加減につけていると、そのファイル名を見ただけでは、内容が分からないことがあります。
ただ、実際に使っているファイルであれば、たとえ変てこりんなファイル名であっても、「これはあのファイルだな」と分かるはずです。
なので、ファイル名を見て分からないようなデータは、捨てても構わないと考えるべきでしょう。
整理のコツ③ 最新バージョンのみにする
電子データの場合、コピペが楽にできるため、どんどん新しいバージョンを作っていく傾向があります。
そのときに、古いバージョンを削除すればいいのですが、たいていは、そのままにしてあります。
すると、きちんとファイル名をつけていないと、どれば最新バージョンなのか分からずに、もたもたしたり、誤って古いバージョンを使ってミスを犯してしまったりします。
「念のため、古いバージョンも残してある」という声も聞きますが、現実的に古いバージョンを使うことはまれです。
なので、よほど明確な理由がある場合を除き、それぞれのファイルは最新バージョンのみにすべきでしょう。
(どうしても捨てることをためらわれる場合は、書庫の役割を持つフォルダを別途作っておき、そちらに一定期間保管するようにします)
なお、いろいろなバージョンがあって、どれが最新のものか分からない場合、カーソルを当てて、最終使用日で判断する方法もあります。
整理のコツ④ 写真は代表的なものだけを残す
数が多くて、整理がやっかいなものの代表格は、写真データです。
ビジネスの性質上、「写真こそが利益を生む」という業種であれば、写真の整理には慎重なプロセスが必要ですが、そうでない場合には、大胆に整理を進めるべきでしょう。
まずは、同じ構図で複数枚撮った写真について、いちばん良く撮れているものだけにしましょう。
ストレージには、おそらく、ピンボケ写真やブレている写真も含まれているはずです。
そういったものはガンガン削除していきましょう。
そのシチュエーションを表す、もっとも代表的な写真を一枚選んで、それだけ残してあとは削除する、ということで、実務上は問題ないはずです。
ここで思い浮かべていただきたいのは、自分の子供の写真です。
ついついすべての写真を取っておいておきたくなるのですが、それらを見ることがあるかというと、実際には、ほとんどありません。
たとえば運動会で撮った写真が30枚くらいあるとしても、その中で、代表的な写真を2~3枚選んで残しておけば、それで当時を懐かしむこともできますので、それで十分ではないでしょうか。
写真を削除していけば、容量は大幅に減らすことができます。
これは、スマホに蓄積されている写真データについても同様です。
クラウドストレージを上手に使おう
一昔前は、それぞれのPCのハードディスク内にデータを保存するのが一般的でしたが、現代では、それはやめたほうがいいでしょう。
理由は、まず、ハードディスクでは個人管理になってしまい、私物化され「公」にならないこと。
また、後述するように、ハードディスクでは容量的に小さいことや、万が一のPCの破損時のリスクが大きいことです。
そこで積極的に活用したいのが、「クラウドストレージ」です。
クラウドとは、「ユーザーが大規模なインフラやソフトウェアを持たずとも、インターネット上で必要に応じてサービスを利用できる仕組み」のことです。
簡単に言えば、インターネットを通じて、外部のサーバーを借りられる、というイメージです。
代表的なものに、Dropbox や Google Drive 、One Drive などがあります。
社内に専用の共通サーバーを持っている場合には、それを使うべきなのですが、ない場合には、クラウドを活用することで、共通サーバーを持っているのと同じメリットを享受できます。
PCの容量を気にせず使える
クラウドのメリットの第一は、容量がPCのハードディスクなどに比べて大きいということです。
ハードディスクに保存するとなると、データの容量に合わせて、ハードディスクの容量を大きくしなければなりませんが、クラウドであれば、ハードディスクを必要としないので、スペックの高いPCを用意する必要がありません。
クラウドには、無料プランと有料プランがあり、データ容量が大きくなると有料になるのですが、会社として専用サーバーを持つことを考えれば、決して高いものではありません。
個々のPCの容量を気にせず、会社全体として、データ容量がどのくらい必要かを判断して、プランを選択することになります。
その際には、上述したように、まず「不要なデータを捨てる」ことで、無駄な容量のプランを選択することなく、適切な容量のプランを選択することができます。
自動的にバックアップしてくれる
クラウドの場合、プランにもよりますが、「自動バックアップ機能」がついています。
万が一、ファイルを誤って削除してしまったり、ファイルが破損してしまったりしても、条件内であれば、復元が可能です。
PC備え付けのハードディスクのように、いちいち手動でバックアップを取っておく必要がないので、とても楽です。
PCが破損してもデータは無傷
PCは機械なので、壊れることもあります。
そんなときに困るのが、データの復旧です。
しかし、クラウドの場合、そもそもPC内にデータを置いていないので、復旧の必要がありません。
PCの入れ替えが楽にできる
同様に、PCを新しいものに入れ替えるときにも、データの移動が必要ありません。
データを共有できる
会社においては、クラウドを使う最大のメリットは、社員同士でデータを共有できる、ということでしょう。
社員個々人のPCのハードディスクにデータを保管していると、そのデータは本人にしかアクセスできません。
しかしクラウドに保管すれば、ログインした社員は誰でもアクセスすることができます。
「物」で例えてみると、個人のデスクの引き出しにしまってある書類は、本人にしかアクセスができませんが、共有キャビネに保管してある書類は、他の社員でもアクセスが可能だ、ということと同じです。
そのためにも、後述する、アクセスのしやすいフォルダ体系の整備と、誰でも分かるファイル名の付け方は、とても重要になってきます。
USBなどのメディアを使わない
ということで、社内ルールとして、各自PCのハードディスクにはデータを保管せず、クラウドに保管するようにすべきなのですが、同様に、USBやSDカードなどのメディアにデータを保管しないよう、ルールを徹底すべきです。
USBなどのメディアにデータを保管していると、万が一のデータの破損などに対処できません。
また、個人管理になってしまい、他の社員がアクセスできません。
そして、「どこにデータをしまったか、分からなくなる」という事態を招きます。
ウィルス感染や情報漏洩の原因にもなりますので、絶対にやめましょう。
後編(整頓編)に続きます
2023.09.20
パソコン内の環境整備が業績アップのカギ!データ整頓4つのコツ【そうじの力で組織風土改革】
こんにちは。そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。 ...
わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社です。
◆社内が乱雑なことにお悩みの経営者様
◆環境整備を導入したいが、どうやって進めていけばいいのかお悩みの経営者様
◆他社の環境整備研修プログラムが、自社にはうまくはまらなかった経営者様
どうぞお気軽にご相談ください。
わたしたちは、
”そうじ”で組織と人を磨く、
日本で唯一の研修会社です。
◆社内が乱雑なことにお悩みの経営者様
◆環境整備を導入したいが、
どうやって進めていけばいいのか
お悩みの経営者様
◆他社の環境整備研修プログラムが、
自社にはうまくはまらなかった経営者様
どうぞお気軽にご相談ください。