こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
世の中、「5S」「環境整備」などに活動に取り組んでいる会社は、決して少なくありません。
しかしながら、そのすべてが「期待するような効果」を上げているわけではないようです。
「やってみたけれど、うまくいかなかった」
「一過性で終わってしまった」
「続けてはいるけれど、マンネリ化してしまっている」
…
「期待するような効果」を上げられない理由は、一体何なのでしょうか?
その理由を解き明かすのが、本シリーズコラム。
全10回にわたってお伝えしていきます。
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目次
社員は「社長の反応」を見ている
会社に勤める社員にとって、日々の関心は、正直なところ「上司の機嫌」です。
もちろん、使命感もあるでしょう。
世の中やお客様への貢献に喜びを見出す面もあるでしょう。
それでも、上司が良い機嫌なのかご機嫌斜めなのかは、社員にとって最優先関心事で間違いありません。
つまり、社員はいつも「社長の反応」を見ているのです。
あなたは普段から、社員に「整理整頓を心がけるように」と伝えているでしょう。
でも、社員がその言葉を受けて社内の整理をしたのに、あなたがそれに気づかずに通り過ぎてしまったとしたら。
社員はどう感じるでしょうか?
モチベーションは一気に下がってしまうことでしょう。
実際の実務であれば、社員は必ず何らかの形で評価をされます。
評価制度が整っており、根拠となる数字があって、それが昇給・昇格や賞与に反映されるのですから。
しかし、そうじ(整理整頓)の取り組みには、そういった定型の評価方法はありません。
そのような定型の評価方法のないものを、社員に取り組んでもらうならば、
「社長が関心を持ち、リアクションをすること」
が大切なのです。
「愛の反対は『無関心』」
とは、よく言われていることですね。
自分の起こしたアクションに対して、社長がどういうリアクションをするのかを、社員はよく見ています。
「社長が気づく」ことが大切
だから社長は、モノの状態の変化に「気づく」ことが大切です。
以前は山積みになって溢れていたモノが、少し減っている。
以前は乱雑に積み上げられていたモノが、わかりやすく棚に収められている。
以前は黒ずんでいた床面が、一部だけ光っている。
以前は悪臭を放っていたトイレが、最近は臭わない…。
そんなちょっとした改善を見逃さず、
「あれ?ここ、前より広くなったよね」
「これ、以前と違わない?」
「ここ、ちょっとキレイになっている?」
というコメントをぜひ発してほしいのです。
社員の心の中は、
「やった、気づいてくれた!」
となるでしょう。
「気づいてもらえる」ことは、「自分の判断で起こした行動を認めてもらえた」と感じられることです。
小さな子どもを思い浮かべてください。
彼らは自発的に起こした行動が、どのような結果をもたらしたか、親に常に見て欲しいと思っています。
親がそれにリアクションをすることによって、「認めてもらえた」という気持ちが、さらに自発的な行動を促すのです。
大人は子どものように「社長見てー!」とは言いませんが(笑)、一般的に、よほど社長が嫌われていない限りは、社員は社長が喜ぶ(会社のためになる)ことをしようと思うもの。
変化に気づいた社長がリアクションしてくれれば、社員は嬉しくなり、
「もっとやってやろう!」
となるものです。
あなたが、
「整理整頓をしなさい」
「5Sに取り組みなさい」
と言えば言った分だけ、好ましい変化を見逃さずに気づき、嬉しがることが大切です。
とにかく、関心を持つこと
さて、
「嬉しがることが大切だ」
と書きましたが、だからといって、
「誉めてばかりいればいい」
というわけではありません。
大切なのは、
- とにかく関心を持つこと
- 必ずリアクションをすること
この2つ。
だから、好ましくない状況を見つけた場合は、きちんと
「これは嫌だ」
と表明することが大切です。
例えばこんなケース。
工場内で、せっかく「姿置き」の置場が用意されているにも関わらず、姿置きとは違うように工具が置かれている場合があります。
これなどは、すぐに関係する社員を集めて、その場で注意しましょう。
こうした状態を放置することは、社員に対して、
「このままでいいよ」
「社長はこのことに関心はないよ」
というメッセージを発していることと同じです。
その場で注意するということは、
「社長は関心を持っているよ」
というメッセージなのです。
A社の社長は、外出しているときを除き、常に工場内を歩き回っています。
好ましい変化を見つけたら、
「ありがとう」
「ご苦労さん」
と声をかけます。
好ましくない状況を発見すると、すぐに関係者を集めて叱り飛ばします。
こうすることで、社長の「言っていること」と「やっていること」に一貫性が生まれます。
そして社員にしてみれば、実務に直接影響しない仕事をしやすくなるのです。
まとめ
社員は、あなたが思っている以上に、あなたのことを見ています。
それに応えるために、ぜひ、社員が
「実務以外のことで仲間のために努力している姿」
を見つけてあげましょう。
そして言葉や文字で、本人に伝えてあげましょう。
私たちの定義するそうじとは、【本質を明らかにし、究めること】。
これはモノにアプローチしながら、実はそこにまつわるコトの問題をあぶり出し、改善していくアプローチのこと。
「社員その人」を見続けることは、忙しい日常の中ではなかなかできません。
でも、「モノの状態の変化」だったら、見つけることができます。
逆に言えば、モノの変化に関心を持てなければ、社員の心の機微に気付くことはできないでしょう。
それでは、たとえ社内が見た目だけ「キレイ」になろうとも、会社が抱える本質的な問題に辿り着くことはできないはずです。
「5Sに取り組んでいるのにあなたの会社が変わらない10の理由」目次
その1 「社長がやらない」
その2 「組織を作らない」
その3 「時間を確保しない」
その4 「現場の取り組みだと思っている」
その5 「『モノ』へのアプローチにとどまっている」
その6 「リアクションがない」 ←本記事
その7 「目的を取り違えている」
その8 「経営計画書に明記していない」
その9 「楽しくやっていない」
その10 「社長が約束を守らない」
わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社です。
◆社内が乱雑なことにお悩みの経営者様
◆環境整備を導入したいが、どうやって進めていけばいいのかお悩みの経営者様
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どうぞお気軽にご相談ください。
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