こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
世の中、「5S」「環境整備」などに活動に取り組んでいる会社は、決して少なくありません。
しかしながら、そのすべてが「期待するような効果」を上げているわけではないようです。
「やってみたけれど、うまくいかなかった」
「一過性で終わってしまった」
「続けてはいるけれど、マンネリ化してしまっている」
…
「期待するような効果」を上げられない理由は、一体何なのでしょうか?
その理由を解き明かすのが、本シリーズコラム。
全10回にわたってお伝えしていきます。
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目次
時を守り、場を清め、礼を正す
昭和の教育哲学者、森信三先生の言葉に、
「時を守り、場を清め、礼を正す」
という有名なものがあります。
「再建の三大原理」と呼ばれているこの言葉。
荒れた学校や企業を建て直すには、まず、この三つのことをしなさい、と説かれたものです。
「時を守り」は、時間を守るということ。
さらに言えば、約束を守る、ということでもあります。
「場を清め」は、整理、整頓、清掃のこと。
「礼を正す」は、立場問わず相手に無礼をはたらかないこと。
具体的な行動としては、挨拶、返事、身だしなみ、言葉遣い、といったところでしょうか。
誠に基本的で当たり前のことです。
しかし、私たちがこういったことをきちんと出来ているか、と問われると、心もとない現実があります。
この三つのなかでも、
「時を守り」
は一番はじめに来ているだけに、一番大切です。
約束を守ることは、人間社会において一番大切だというわけです。
しかし一方で、いちばん難しいことでもあります。
そうじ(環境整備)の活動においてまず取り組むのは、
「皆で約束を決め、決めた約束をみんなで守る」
ことです。
見た目だけキレイにしても、約束を守れないのでは、何の意味もありません。
うまくいくもいかないも、社長の姿勢しだい
そうじ(環境整備)の取り組みの中で、いろいろな「約束事」が決まってきます。
- いつ活動を行うのか
- モノを捨てる基準、モノを取っておく基準
- どこにどのような形でモノを置いておくのか
- 誰がリーダーで、誰が補佐をするのか。
- 委員会やリーダーは、どんな権限を持っているのか。
こういったことは、すべて「約束事」です。
「これらの約束事を、皆でいかに守っていけるか」
がこの活動における非常に重要な要素なのです。
そして、そのメインとなるのは、なんといってもトップリーダーである社長です。
社長自身が、これらの約束事を守れるかどうかが問われているのです。
私も、さまざまな社長さんたちと関わる中で、いろいろな体験をしてきました。
待ち合わせや会議の時間に、何の連絡もなしに、悪びれることもなく遅れてくる社長。
予定していた日程を直前にキャンセルし、自分からリスケジュールを提案しない社長。
皆で活動しようと決めた日時に、後から別の出張予定を入れてしまい、参加しない社長。
「こういう基準でモノを捨てましょう」と決めたはずなのに、執着を断ち切れず、モノが捨てられない社長。
こういった社長の言動を、社員はよく見ています。
「言っていることとやっていることが、ちぐはぐだな」と。
社長が約束を守らないのであれば、「ウチの社員は動かない」のは当然のことでしょう。
「飽きてきた」時が本当の勝負所
当初熱心だった社長にも、いずれ魔の時がやってきます。
それが、「飽きてきた」時です。
どんな素晴らしい取り組みも、いずれは飽きがきます。
必ずマンネリ化します。
その時に、社長がどう振る舞うのか。
その時点で止めてしまったり、活動を縮小してしまったりすれば、それで終わりです。
一番いけない「約束破り」といえるでしょう。
そうじは継続してこそ、真価を発揮します。
推進メンバーを入れ替える。
活動の時間帯を変えてみる。
イベントを企画する。
他社との交流を図る。
こんな風に、いろいろと工夫してみましょう。
それでも、最後は、社長が覚悟を持って続けるしかありません。
社員がついてこなくても、目に見える成果がなくても、あくまでも続けることです。
そうすれば、必ず得られる成果が、ひとつだけあります。
それは、「継続する習慣」であり、言い換えれば「約束を守る習慣」です。
社長の覚悟によって、このような会社風土が作られていきます。
まとめ
私たちの定義するそうじとは、【本質を明らかにし、究めること】。
モノにアプローチしながら、実はそこにまつわるコトの問題をあぶり出し、改善していくアプローチなのです。
社長が約束を守らなかったり、飽きっぽかったりするならば、それこそが「真の問題」です。
モノをキレイにしたり整えたりする活動を通じて、社長のそのような姿勢を改善していく、絶好のチャンスだととらえましょう。
「5Sに取り組んでいるのにあなたの会社が変わらない10の理由」目次
その1 「社長がやらない」
その2 「組織を作らない」
その3 「時間を確保しない」
その4 「現場の取り組みだと思っている」
その5 「『モノ』へのアプローチにとどまっている」
その6 「リアクションがない」
その7 「目的を取り違えている」
その8 「経営計画書に明記していない」
その9 「楽しくやっていない」
その10 「社長が約束を守らない」 ←本記事
わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社です。
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