こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
色々な会社で、「整理整頓」と書かれた旗やポスターを目にします。
ところが、そういったものが掲示してあるところほど、「整理整頓」とは程遠い姿になっていることも珍しくありません。
そしてそのような会社は、ほぼすべて、社長が「現場の整理整頓は社員の仕事」と思っています。
確かに、現場は社長のテリトリーではないでしょう。
でも私は「整理は必ず社長が同席してください」とお願いしています。
その理由をお答えします。
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目次
「整理」で大切なのは「処分をすること」そのものではない
N社では、自動車整備と鈑金・修理を行う拠点を5つ展開しています。
5拠点それぞれで、工場長が中心となって、そうじ(整理・整頓)に取り組んでいます。
同社にとって”そうじ”の目的は、単に会社の環境整備を進めることではありません。
- 若手の工場長さんたちに、リーダーとしての資質を身に着けてもらう。
- 彼らのリーダーシップの下、全社に「フィロソフィー」を浸透させる
ことが目的です。
月1回行う研修では、毎回必ず実習を行っています。
ある日は整備工場における書類の整理・整頓を題材にして実習を行いました。
ホワイトボードにたくさん貼りつけてある書類。
それらをいったん全部剥がして、中身を確認していきます。
もう済んだ書類もたくさん掲示したままになっており、そういったものを処分すると、ずいぶんと量が減りました。
さて、ここで大切なのは「処分をすること」そのものではありません。
「この状態が好ましくないのであれば、なぜこの状態が生まれ・継続してしまっているのか」
を明らかにすることです。
「整理」は「働きやすい環境をみんなで考えていく材料集め」
社長の目と、現場の目は違います。
同じ現場にいても、担当者とそのほかの人でも視点は違います。
誰かが疑問に思ったことは、他の誰かも疑問に思うことかもしれません。
そのような「これはどうしてこのようにしているの?」の理由を明確にすることで、
- 周囲の人が担当者を助けやすくなる
- 仕事が誰かで止まるのを防ぐことができる
などが期待できます。
「整理」は「働きやすい環境をみんなで考えていく材料集め」でもあるのです。
さあ、社長含めメンバー全員で検証開始!
そもそも、なぜこれだけの書類を貼らなければいけないのか?
対話していく中で、重要なことが分かってきました。
貼りつけてある書類は、車両の過去の整備記録。
お客様から預かった車両が、過去、どんな整備をしたかを確認し、必要な整備や交換を行うためのものだということです。
そして、整備工場にパソコンがあれば、必要な情報を検索できるので、書類を貼っておく必要はない、ということも分かりました。
ホワイトボードの大量の書類は、現場の人たちが、「今ある資源で仕事を最適化しようと編み出したシステム」だったのです。
その場で社長が判断し、整備工場にその機能を備えたipadが配備されることになりました。
これで、今後は、こうしてベタベタと書類を貼りつける必要はなくなりました。
なぜ社長が「整理」の作業に同席すべきなのか?
①なかなか経営陣まで上がってこない「現場の困りごと」を実感できる
もしこの場に社長がいなかったら、どのようなことが起こったと想定できるでしょうか。
経営者が一番気にするのは「費用対効果」でしょう。
新しいシステムや設備を導入したとき、それをどのくらいで回収できるのか。
それらの導入に関して、緊急度や重要度はどのくらい高いのか。
社長がその場にいない場合、社員は後日書類でパソコンの必要性を提出することになるでしょう。
「今までなんとかできていたのに、なぜ必要なのか?」
もし常日頃から「コスト削減」と口に出している社長であるならば、明確な数値を出してほしいと求めるかもしれません。
「仕事のしやすさ」は、ひとつひとつの微々たる利点が組み合わさってつくられます。
- 目に入る情報がシンプルになる利点
- 書類を探す時間が減る利点
- 担当者以外が情報を検索しやすくなる利点
これらがいくつも重なって、「仕事がしやすく」なるのです。
しかし、それらは「わかりやすく」「目に見える数字」ではなかなか出てくるものではありません。
結果、「緊急度が低い案件」として後回しにされたり、「コストをかけないでやってほしい」と言われてしまったりということが起きることもあります。
②決裁者不在では、捨てることはできない
モノの整理には、システム(しくみ)の見直しが必ずセットでついてきます。
システムの見直しには、現場内で対応できるものと、決定権者がいないと対応できないものがあります。
社長がいれば、その場で即断即決できます。
何が起こっても、社長が責任を取ることができるからです。
社長がいなければ、整理の活動は停滞します。
「捨てる」判断ができないと、その後の活動に移れないからです。
まとめ
「現場の整理」は「現場の仕事」だと思いますか?
いいえ、現場の整理は「社長が放置していた、社長が一緒にやる仕事」です。
社員と面談したり、会食をするだけでなく、社長のあなたが一緒に手を動かして整理に取り組みましょう。
何よりのコミュニケーションになり、今までに上がってこなかった現場の声を聞けることになるはずです。
全社活動への展開方法など、わからないことがございましたら、どうぞお気軽にオンラインセミナーにご参加くださいね。
わたしたちは、”そうじ”で組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社です。
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