時間・約束を守る組織風土の作り方【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

私たちが社会人として守るべき基本的なことはいくつかありますが、その最たるものは「時間を守る」ということでしょう。

ところが、この基本的なことが、意外に出来ていない企業が多いのです。

  • 会議の時間に常に遅れてくる(事前にわかっている用事を調整できない)
  • 役職者が特に理由なく遅刻してくる
  • 会議が定刻に終わらない

などなど…。

そこで今回は、「時間を守れる風土」になるためのヒントをご提示します。

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「時間を守る」だけにとらわれない

「時間を守る」ということが目の前の課題だとすると、私たちはついつい「どうすれば時間を守れるのか」ということだけに捉われがちになります。

でも、意外と他の観点からアプローチをしてみると、状況を打開できることがあるものです。

再建の三大原理

「昭和の教育哲学者」と呼ばれた故 森信三先生の有名な言葉に、「時を守り、場を清め、礼を正す」があります。「再建の三大原理」と呼ばれています。
荒れた学校を立て直すには、まず、この三つのことをしなさい、と諭されたのです。

森先生は教育者なので「学校」という言葉を使っていますが、これは学校に限らず、企業など、およそ人が集まる組織には、みな当てはまります。

「時を守り」=時間を守ること、もう少し拡げると、約束を守ること
「場を清め」=そうじ(整理・整頓・清掃)をしてキレイにすること
「礼を正す」=挨拶や返事をし、身だしなみを整え、言葉遣いを丁寧にすること

まことに基本的で当たり前のことです。
私たちが子どもの頃に、親や先生たちからしつけられたはずのことです。

しかしながら、現実に、私たちがどのくらいこれらを実行できているかと考えると、心もとないのが実情です。

実際、多くの企業を見ていると、確かに、こうした基本的なことができている企業は安定感があります。

逆に、こうしたことがおろそかになっている企業は、たとえ突発的な勢いがあったとしても、安定感に欠ける、という印象を受けます。

3つが相互に連関している

さて、この「時を守り、場を清め、礼を正す」ですが、着目点は、これらがワンセットになっている、という点です。

森先生は、これらのどれか一つを「再建の切り札」と提示したわけではなく、あくまでもワンセットで「再建の三大原理」と説かれています。

つまり、これらの三つは、それぞれ独立した項目であると同時に、お互いに連関しているのです。

ですから、これらのうちのどれかひとつを実行しようと思えば、他の二つにも取り組む必要がありますし、どれかひとつがうまくいかないのであれば、他の項目から攻めていく、というのも手だということです。

「時間を守る」ということが目の前の課題だとすると、「どうすれば時間を守れるのか」ということだけに捉われがちになります。

しかし、他の二項目、つまり「場を清め」「礼を正す」についても考えていくと、また別の打ち手が見えてくるのです。

時間を決めて、みんなで一緒にそうじをする

そうした前提の下、社内をぐるりと見回してみましょう。

もしデスクの上に書類が山のように積み重なっていたり、通路を誰かの荷物が塞いでいたりするのであれば、「場を清め」から取り組んでみると良いでしょう。

というのも、「時間が守れない」という問題の多くは、「忙しくて時間のやりくりができない」という問題に置き換えることができるからです。
いや、実際には、「やりくりしようとしていない」と言った方が正確でしょうか。

そこでは、「自分なりに勝手に優先順位をつけて、順位の高いものに対しては時間をきっちり守るが、順位の低いものに対しては時間にルーズになる」ということになりがちになります。

社員にとって、そうじは優先度が低い

そこで、あえて社長から「○月○日の○時から○時に、皆でそうじをするので集まれ」という指示を出すのです。
当然、現場からは、「現場が忙しくて、その時間をそうじに充てることはできない」という反発が上がってきます。

それに対して、「では日にちを変えてはどうか?」「時間を変えてはどうか?」と問いかけていきます。
しかし、おそらく、どんな時間設定をしても、「現場が忙しいからムリ」という返事が返ってくるでしょう。

つまり、現場の社員にしてみると、「そうじ」というのは明らかに優先順位が低いのです。
営業成績に直結するものではないので、無理もないでしょう。

だから、そんな優先順位の低いものに対しては、そもそも時間を割きたくないのです。

業務時間内でそうじの時間を設定する

現場の社員にとっては、そうじは優先順位が低いにもかかわらず、経営者にとってはそうじの優先順位が高い。
こうしたギャップはよくあることです。

だから、そのギャップを埋めるためにも、多少強引であっても、業務時間内でそうじの時間を設定します

なるべく現場の声を聞き、仕事に差し支えのない曜日や時間帯を選ぶのはもちろんですが、最後は社長が命令するしかありません。

どんな業種・職種でも、いろいろと工夫をすれば、時間を捻出できないことはないのです。

こうして時間を設定したら、「その時間に皆が集まる」ことに焦点を当て、そうじの活動を始めます。
言うまでもなく、言い出しっぺの社長は必ず毎回参加しましょう。

当初は、欠席者が多いとか遅刻者が多いとか、なかなか思うように人が集まらないかもしれません。
しかし、そこで諦めず、しつこくしつこく、時間通りの出席を促していきます。

そして、そうじの時間には、なるべく達成感を感じられるような作業を行います。
たとえば、倉庫に山積みになっているモノを整理して処分し、部屋のスペースを拡げるとか、くすんでいる床面のタイルを磨いてピカピカにし、周囲との違いを鮮明にするとか。

こうしたことを続けていくと、参加している社員たちも、
「そうじって、意外におもしろいね」
「やりがいがあるね」
という気持ちになってきます。

そのうちに、皆が時間通りに集まり、そうじができるようになってきます。

こうしたことを通じて、一見そうじのように優先順位が低いと思われるような取り組みにも、やる意義があり、時間を割く価値があるのだ、という意識が芽生えてきます

こうなれば、しめたものです。

「先約優先」の習慣をつける

この活動をつうじて身につけたいのは、「先約優先」の意識です。

私たちは、ついつい自分勝手な価値観で、「これは優先順位が高い」「これは優先順位が低い」と判断してしまいがちです。
しかし、実は物事に優先順位をつけるのはとても難しいのです。

欲にとらわれない

たとえば、今目の前に、100万円の取り引きをしてくれるAさんと、1,000万円の取り引きをしてくれるBさんがいたとします。

多くの人がAさんよりもBさんのほうが価値が高い、と判断するでしょう。
そして、Aさんとの約束よりもBさんの約束のほうが優先順位が高いと判断するでしょう。

しかし、ひょっとすると、Aさんは将来的に1億円の取り引きをしてくれる可能性のある優良客かもしれません。
Aさんとの約束をおろそかにしたために、将来の1億円の取り引きのチャンスを逃すことになるかもしれません。

こんなふうに、すぐ目に見える判断材料だけで優先順位をつけるのは、危険なのです。
だから、「先約優先」、つまり、金額の多寡や想定されるリターンなどで優先順位をつけるのではなく、先に約束した事物を無条件で優先するのです。

信頼される人は、先約を守れる人

「先約優先」で行動することが、結果として私たちに、多くの幸せをもたらしてくれます。
「先約優先」を貫くと、何より、人から信頼されるようになります
信頼こそが、長い目で見たときに、私たちにもっとも大きな益を与えてくれるものです。

そうじの時間を強引にでも設定するのは、この「先約優先」の意識を習慣として身に着けさせるためなのです。

まとめ アプローチを変えてみよう!

上述したように、「時を守り、場を清め、礼を正す」は、それぞれ相互に連関し合っています。
ですから、このうちひとつのことができるようになると、つられて他のこともできるようになってきます。
つまり、そうじだけできて、時間が全然守れないとか、挨拶が全然できない、ということにはならない、ということです。

身の回りをキレイに整える習慣ができてくると、服装も小ぎれいにしようという気持ちが湧いてきます。
現場をキレイにそうじしていると、通りがかりの人たちに自然と挨拶するようになります。
整理整頓ができてくると、ロスが少なくなり、効率も上がるので、時間を捻出しやすくなります。

ですから、あくまでもひとつの方法論ですが、
「時間を守る」
「約束を守る」
という「非常に大事であるけれども高度な習慣」を組織風土として定着させるために、まずはそうじに取り組むというのは、とても有効なことなのです。

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