こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
「良い組織風土」を作りたい。
そのためにどうすればいいのか?
そう考えた時に、ひとつ「オープンな組織風土にする」ことが思い浮かぶでしょう。
「オープンな組織風土」には「見える化」が必須です。
今まであなたの会社では「オープンな組織風土」をつくるために、下記のような「見える化」の施策を取られてこられたのではないでしょうか?
- 人事評価の過程や結果を共有できるようにした
- 他部署の目標や進捗を、誰でも見ることができる状態にしてある
- 業務改善システムを導入し、情報共有のタイムラグが少なくなるようにした
- 全員に日報を書かせ、上司がチェックするようにした
ですが、このような「仕組みの見える化」の改善をしてもなお
- 部署間や、経営と現場との間に壁がある…
- 不満や改善要望の声がなかなか上がってこない…
- インシデント、ヒヤリハットが表面化してこない…
というような状態にあるのであれば、まずは社内を見回してみてください。
デスクに長いこと書類が雑多に積まれているままになってたり、よくわからない段ボールが床に置きっぱなしになっていたりしないでしょうか?
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もし社内がそのような状態であるならば、「仕組み」同様に、「社内環境そのもの」もオープンにしていくことが必要です。
「社内環境そのもの」をオープンにしていく具体的な手段はいろいろありますが、最初に取り組んでほしいのが「社内にある『扉』をなくす」ということ。
扉をなくすと、生産性や快適性が上がるだけでなく、組織風土もオープンなものに変わっていきます。
今回は、なぜ扉をなくすと、組織風土が変わっていくのかについて、解説します。
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目次
「扉」の役割
そもそも、いろいろなものについている「扉」、会社の中においてどのような役割を担っているのでしょうか?
①スマートに見せる
キャビネットや棚に扉があると、スマートに、スタイリッシュに見えます。
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普段お客様が来ないオフィスに、突然お客様が来ることになった場合。
棚にごちゃごちゃしているものを放り込み、扉を閉めてしまえば、あっという間に「きれいなオフィス」の完成です。
「きれいなオフィス」は、会社の信頼度を高めてくれるでしょう。
会社の内側の顔と、外側に見せる顔を使い分けるのに、とても便利なのが扉です。
②地震の際、ものの飛散を防ぐことができる
オフィスでの地震発生時、キャビネットに地震対策が施されていなければ、重い書類が入った棚が倒れてきたときにはひとたまりもありません。
扉がないことで、モノが避難通路を塞いでしまい、避難を妨げてしまうかもしれません。
扉があれば、棚そのものが倒れることを防ぐことはできませんが、中身の飛び散りを防ぐことはできます。
②ものに埃が溜まるのを防ぐことができる
扉があることで、中に入っているものに埃が溜まるのを防ぐことができます。
埃をかぶっては困る精密機械などを入れている場合は、その場所の扉はマストでしょう。
「扉」があることによるデメリット
扉には上記のような役割はありますが、逆に「あることによって生じるデメリット」も存在します。
①中身が乱れる
扉は、都合の悪いものを隠してくれます。
また、いつも中が見えないゆえに、
「一度整理整頓しても、つい油断してしまって、中身が乱れてしまう」
ということが往々にして起こります。
②どこに何があるか分からない
扉で隠されているために、中身が見えず、「どこに何があるか」が、パッと見て分からないのです。
もちろん、扉に表示をするとか、地図を貼りつけるとか、方法はあります。
それでも、パッと見て「どこに何があるか」がわかる、というわけにはいきません。
③動作ロスが多い
何かを取り出すときに、いちいち扉を開け閉めする、というロスが生じます。
しまうときにも同様のロスが生じるわけですから、積もり積もれば、相当なロスになります。
「扉」を取ることで生じるメリット
では、思い切って扉を取ることで、組織内にどのようなメリットが生まれるでしょうか?
①中身が整う
いままで都合の悪い状態を隠してくれた扉がなくなると、「外の人」が来た時に、乱雑な棚が丸見えになってしまいます。
例えば銀行の担当者が来たら、
「この会社は必要な書類がすぐに出てくるのだろうか…?」
と不安に思うかもしれません。
これから取引を始めたいというお客様が来たら、
「この会社はコンプライアンスをしっかり守れているだろうか…?」
と思われてしまうかもしれません。
就職活動中の学生が来たら、
「採用ページはスタイリッシュなのに、イメージと違うな…。募集要項に書いてあることと実態が違うのかな…?」
勘ぐられてしまうかもしれません。
そのような印象を与えまいと、危機感を強く持つ社員から、おのずと整理整頓の機運が生まれるでしょう。
「常に中が見える状態」となっているので、乱れないように「置き場所や使い方のルール」も決まっていくことでしょう。
②探し物の時間が少なくなる
扉をなくしてしまえば、多少乱雑でも、パッと見て「あの場所にあれがありそうだ」とイメージすることができます。
整理整頓が進み、ものを分類して置くようになればなお、探し物の時間が少なくなることでしょう。
パッと見て場所がわかるようになれば、「何かを取ってきてほしいけれど、今すぐに手が離せない」時、他の誰かに頼むことができます。
結果、チームの生産性が上がっていくでしょう。
③ロスが少なくなる
「探し物をする」という時間は大いなるタイムロスですが、「扉を開け閉めする」というのもタイムロスです。
1回のアクションでは「開ける=1秒」「閉める=1秒」という時間かもしれませんが、積もり積もれば相当なもの。
限りある業務時間を、有効に使うことができるようになるでしょう。
④コミュニケーションの頻度が上がる
部屋の扉をなくしてしまうことによって、コミュニケーションの頻度が上がります。
詳しくは後述の事例をご参照ください。
「扉」を取り払った具体例
ここからは、社内にあるキャビネ等の「扉」を取り払った企業に何が起こったか、その具体例をご案内します。
【事例1】誰もが必要な物にアクセスしやすくなった
建築会社のO社では、以前なんの疑問も持たずに、扉のついた書類棚を使用していました。
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建築会社らしい造作の棚に、このような扉がついていたのです。
木目調でとてもおしゃれ。そして一見、スマートに見えます。
しかし、扉を開けてみると、中身がぐちゃぐちゃという問題がありました。
そこで、ある時、思い切って、すべての扉を取り払ってしまいました。
こんな感じです。
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ここは協力会社や業者さんも通るところ。
だから、外部の人にも見えてしまうのです。
中身がぐちゃぐちゃでは恥ずかしいので、見られても恥ずかしくないように、整理・整頓していきました。
その結果、今ではこんな風に整っています。
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常に露わになっているので、気が抜けません。
常に整えようという意識が湧くので、放っておいても乱れることがありません。
これだけの書類やモノが収まっていますが、誰もが必要な物にアクセスしやすくなりました。
【事例2】新人にもやさしいシステムに
I社では以前、書類の管理にスタンダードな両開き扉のキャビネットを使用していました。
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一見するとスマートに見えますが、この状態では、どこに何があるか、さっぱり分かりません。
いえ、ベテランの人はわかるのかもしれませんが、慣れていない人にはわかりません。
つまり、扉があるこの状態は、「わかる人にだけわかる」という、とても不親切なシステムだと言えます。
I社が”そうじ”に取り組む中で目指したのは、「人にやさしい」システム。
すなわち、「今日入った新人でも、どこに何があるか、一目でわかる」状態にすることです。
このキャビネ、今ではこんなふうになっています。
扉を取り外し、カラーリングを施して、整えました。
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これならば、まさに新人でもわかりそうですね。
扉を開け閉めするロスもありません。
何より、このような状態になったことで、ここで働く人たちが快適になったといいます。
【事例3】社員からの報・連・相が増えた
多くの会社には、「社長室」が存在します。
B社でも、完全に独立した部屋ではないですが、パーテーションで区切った「社長スペース」が存在していました。
普段社長は、パーテーションを締め切り、籠って仕事をしているのです。
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このため、社員が社長に用があるときは、
- パーテーションの前に立ち
- ノックし
- 「失礼します」という声かけをし
- 「どうぞ」という返事を待ってから入室する
という流れが必要でした。
ところが、全社で”そうじ”の活動を進めていく過程で、社長がパーテーションを取り払う決断をしました。
社員のデスクから直に社長の顔が見えるようになりました。
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すると、社員が社長に声をかけやすくなったらしく、「ちょっとした相談」「ちょっとした確認」が増えたのです。
パーテーションがあった以前より、社長と社員との距離感が近くなったといいます。
「ちょっとした相談」や「ちょっとした確認」が増えることは、ヒヤリハットの報告を増やし、重大な事故を防ぐ効果もあります。
社員が20~30人規模の会社では、社長室に扉があるよりも、ない方がメリットは大きいでしょう。
まとめ
「オープンな組織風土」にしていきたいと思うのであれば、
「仕組みのオープン化」+「環境のオープン化」
という両方のアプローチが大切です。
両方揃うことで、「言っていること」と「やっていること」が合致し、社内外にメッセージとして伝わるからです。
ただ、こういう取り組みをしようとすると、必ず、社内で抵抗が起きます。
「何かを隠したい」「公にされると困る」という気持ちが、抵抗させるのでしょう。
でも、何もやましいことがなければ、露わにして問題ないはずです。
もし、あまりに理不尽に抵抗する人がいる場合には、ひょっとすると、何かその人には「隠しておきたい都合の悪いもの」があるのかもしれません。
物理的な壁(扉)を取り払うことは、心理的な壁を取り払うことにつながります。
そして、「都合の悪いものをとりあえず隠し、臭いものに蓋をする」という風土を変えていけます。
しくみの改善や「見える化」とともに、オープンな環境を作ることで、オープンな組織風土を作っていきましょう!
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