お客様の声

(有)ファイン 藤井高大社長

お客様の声

(有)ファイン 藤井高大社長


福井県鯖江市で、眼鏡フレームや金属・プラスチックなどに特殊印刷加工を施す(有)ファイン。
その技術力は、海外からも高い評価を受けています。
代表取締役社長である藤井高大様にお話を伺いました。

 

経営に整理整頓が必要だと思い始めたきっかけは、どんなところにあったのでしょうか?

 

弊社は、眼鏡フレームやライター等の金属素材、成型品などへ特殊印刷加工を施している会社です。
2002年に創業し、付加価値を高めていきながら順調に業績を伸ばしてきました。

ですが2010年頃、眼鏡の製造拠点が鮪江から中国へと流れ始めたことで、不安が膨らみ始めました。
今はいいけれど、この先、どうなるのだろう。
社員を守らねばと、とにかく必死でした。

気が付くと、アットホームだった社内の雰囲気が悪くなっていました。
当時、社員は13人。忙し過ぎて、コミュニケーションがとれなかったのが原因でしょう。
私の言動が原因で、社内には不満や愚痴があふれていました。

「なんとかしなければ」と、自己啓発のための本を読みまくり、セミナーに出かけるようになりました。
その中で、鯖江市の建築会社『ムラケン』の創業者・村上氏との出会いがありました。
村上氏は『経営には3つの柱が必要だ」と力説されました。
それは企業理念、経営計画書、環境整備だと。

非常に感銘を受けました。
いずれも今までのファインにはなかった発想だったので。
そこから、まずは自分たちでできる範囲で環境整備を始めました。

 

コンサルティングを導入するきっかけは何でしたか?

 

2011年3月、とある講演会で小早さんの講演を聴き、衝撃を受けました。

ただその時は、他社の話を聞いて、
「うちもピカピカになったら気持ちいいだろうな。でもわが社にはとても無理だ」
と思っていたんです。

後日、小早さんが顧問を務める材木会社社長さんにお誘いいただき、研修に参加させてもらう機会に恵まれました。

そこで気づいたのが、
「環境整備は、ただ会社をきれいにする活動なのではない。『良い会社』を、社長以下全員でつくりあげていく活動なのだ」
ということ。

帰りの道中、
「何事も全員で明るく前向きに取り組むチームを作りたい。それには自分達の力だけでは限界がある」
との思いから、コンサルティングをお願いしました。

私自身が本気で取り組むためにも、必要だと思ったんです。

 

コンサルティング導入以前の社内はどんな感じだったのでしょうか

 

あちこちにインクが飛び散り、新たにこぼれたインクを靴で踏み、それが拡散していくという状況でした。
周囲には物がうず高く積まれ、いつもアレがない、コレがないと探し物をしていました。
でも、印測会社は汚いのが当たり前だと思っていたのです。

 

印象に残っている指導はありますか?

 

支援開始当初、社員からは、ブーイングの嵐でした。
朝30分間、そうじをすると決めたものの、「時間がもったいない」「そんな暇があれば仕事をした方がいい」と。

そんなとき、小早さんから、社長の本気の気持ちを社員にぶつけてほしいと言われました。
そうでなければ、全社で一丸となって環境整備に取り組むことはできないと。

そこで、みんなの前で、
「環境整備は、会社を続けていくための土台になる。多くの人から必要とされ続ける企業を目指して、技と心と人間力を徹底的に磨いていきたい」
と話しました。

声に出して伝えることが大切なんだ、と印象に残っています。

 

実践していく中で、なかなかうまくいかなかったことや、大変だったことはありましたか?

 

床についていたインクを全員でこそぎ落とす作業をしました。
長年積み重なった汚れです。毎日少しずつの作業だったので、途方にくれました。

無駄な作業に思えて、
「最終的に、表面にペンキを塗るのだから、汚れをこそぎ落とす必要はないのでは? 」
と小早さんに尋ねたんです。

そうしたら、
「それは臭いものにフタをするのと同じこと。その場しのぎでしかない」
とピシャリと言われました。

「自分たちで、自分たちがつけてきた汚れを落とし、リセットする。その大変な作業をすることで、その後、汚さないように使おうという意識が目覚める、それが大切なことです」と。

全て落としきるまでに2年近くかかりました。
それから約1年かけて、新たに、床にペンキを塗り直しました。

 

会社や社員の変化を教えてください

 

インク落としみたいに、実際に体を動かすことで、徐々にみんなの意識が変わっていきました。

ただ活動が加速したのは、当初反発していた社員のSさんが、
「どうせやるのなら、楽しくやろう」
と言い出してくれてからです。

『そうじ=工夫・改善』と捉え、イラストを使って工具や台車の置き場を決めたり、壁にむき出しになっていたブレーカ一部分に飾り板を備え付けたり。
社員たちが自主的に動き出し、色々な場所に手を入れてくれるようになった。

みるみるうちに、社内が美しく、そして『楽しく』変わっていきました。

そして何より、殺伐としていた社内に会話や笑顔が戻ってきた。
環境整備でコミュニケーションが取れると、仕事の上でも部署や立場の垣根を越えて連携がとれるようになってきて、仕事がスムーズに流れるようになりました。
メガネの装飾印刷のアイデアが次々と、社員から出てくるようにもなりましたね。

 

業績面の変化はいかがですか?

 

モノを整理整頓した後、業務の棚卸もしました。
業務の中で「何を捨てて・何を選んでいくか」ということを考えた時、より付加価値がつく商品を作っていこうというところに行きつきました。
自分たちの持っているエネルギーをそこに向けようと決め、低単価商品を整理する事にしたんです。

低単価商品は、閑散期でも社員に仕事を作ることができますが、それに携わることで繁忙期には残業を強いることになる。
また、会社が生き残るためには、装飾印刷に特化し、他社と差別化することが必要という経営判断もありました。

仕事がない閑散期は辛かったのですが、新しい技術の開発やサンプルの製作に取り組みました。
その甲斐あって、今ではこれまで以上に難易度の高い仕事が次々と舞い込むようになりました。
労働時間を短縮することができたため、残業時間は大幅に減り、年間休日日数も増やすことができました。
「働きやすく、利益を出せる環境」に変わってきましたね

 

工場見学に訪れる方も増えたとお聞きしました

 

かつては、汚い工場を見せるのが恥ずかしくて、人口に『関係者以外立ち人り禁止」という紙を貼っていました。
「デザインを盗まれると困る」と言い訳しながら……。

でも、工場がきれいになってからは、積極的に、工場見学を受け入れ始めました。
当初は環境整備に関心を持たれている会社の社長さんたちがよく見えていましたが、最近は、メガネの製造会社の方が販売店のお客様を連れて来られることも多いです。

皆さん一様に、『ここまで環境整備に力を人れている会社なら、安心して仕事を任せられる』と言ってくださいます。
そういった声は、社員たちの自信にもつながります。
お客様との交流が、アイディアの源にもなったりしますね。

 

最後に、今後の抱負をお聞かせください

 

クライアントが求めていることを、徹底的にカタチにしていける会社でありたいです。

また、わが社の取引先はもちろん、地元の異業種の企業や組織、学校とか地域や子どもたちなどに向け、
「環境整備に取り組むことによって、こんなに良くなるんだよ!」
と伝えていける源になりたいと考えています。

 

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