事例紹介

そうじが企業文化として根付き、社業の発展をサポートした!(香川県 総合設備業)

事例紹介

そうじが企業文化として根付き、社業の発展をサポートした!(香川県 総合設備業)

香川県高松市に本社を構える後藤設備工業(株)。
水道・空調・電気工事を請け負う、創業80年 社員数72名の総合設備工事業者です。
ここで8年半前に、弊社のお手伝いにより、環境整備の活動がスタートしました。

スタートする前は、事務所も書庫も倉庫もぐちゃぐちゃ、会社として「そうじをする」という習慣がありませんでした。
しかし、社員の質は高く、現場における腕も確かで評判も良かったので、「社内外を整えることで、さらに良い会社を目指したい」ということでオファーがあったのです。

 

積みあがった500万円もの不良在庫。それらを一掃することからスタート。

まず手を付けたのは倉庫。
現場から戻ってきた設備機器類がホコリを被って大量に山積みされていました。
中には、まだ段ボールの封を開けていないもの、つまり新品も含まれていました。
しかし、中身をよく検証してみると、型落ちのためいまや商品価値のないものや、特注品のため他の現場では使えないものなどがたくさんあったのです。

使う見込みのないものを、思い切って処分してもらいました。
量としては9割方、金額にして300万円~500万円ほども処分したと言います。
一時的には損失が出たわけですが、おかげでモノが少なくなり、スペースが広がり、グッとそうじがしやすくなりました。

透明なケースの中に入っているものは、過去に不具合が起こった設備品。
社員の技術向上のために、保管し展示してあるのです。
このような展示スペースも、ものを捨てたことによって設けることができました。

 

さて、設備屋でやっかいなのは、図面です。
書庫には、大量の図面が乱雑に保管されており、どこにどんな図面があるのかが分かりません。


背表紙がついていなかったり、外から見ただけでは中身が分からなかったりするものだらけでした。
途方に暮れそうな量ですが、「今やらなければ、きっと永遠にやらないだろう」ということで全員の意見が一致し、整理整頓に取り掛かることになりました。

まず一旦すべての書類を出し、既に建物が消失しているような図面を廃棄しました。
そして、すべての図面に背表紙をつけ、中身が分かるように明記しました。
背表紙がついたものは五十音順に並べ、どこに何の図面があるのかが、パッと分かるようにしました。
また、エクセルシートに概要を入力し、データベース化しました。

社長・専務・全社員で分担し3か月。
格段に探しやすい書庫が完成しました。

事務所内のデスクの上には、書類が山積みになっていました。
書棚も、書類で溢れかえっていました。
それらの書類を一つひとつ確認し、要らない書類をどんどん廃棄していき、「机上ゼロ」を実現していきました。

掲示物のルール決めや、会議室椅子の定位置化、床面のタイルカーペットや社屋の壁などの清掃にも取り組み、社屋はどんどん甦っていきました。

 

環境整備の知見を取り入れた新社屋建設へ!

こうした活動を続けて、社内外がきれいに整ってきた頃に、本社屋(自社ビル)が老朽化して、現在の耐震基準に合致しない、という問題が持ち上がってきました。
そこで、これを機に、思い切って社屋を建て直すことになりました。

社屋立て直しのため、数か月間は仮事務所での執務となります。
今までの整理整頓のおかげで、大変スムーズに引っ越しができました。
引っ越しを機に、デスクもフリーアドレス化。


社長専用のデスクもなく、社長ご自身も空いている席に座って仕事をしています。

新しい社屋の設計においては、環境整備の活動から得た知見を織り込みました。
レイアウトは、より動きやすく、コミュニケーションがしやすいように。
デスクはもちろんすべてフリーアドレス、仮事務所での実践が決め手になりました。
収納は、より分かりやすく、出し入れしやすくするため、ほとんどのキャビネに扉をつけない仕様になりました。

視認性が良く、コミュニケーションも容易なこの新しい社屋は、2018年度の第31回日経ニューオフィス賞(四国ニューオフィス推進賞)を受賞しました。


参照:(一社)ニューオフィス推進協会 2018年度第31回日経ニューオフィス賞紹介より

 

企業文化として根付いた「そうじ」

同社では、毎朝一五分間、朝礼前に全員で事務所内をそうじしています。
毎月第三土曜日の午前中は、全体活動と称して、全員で大掛かりな整理・整頓・清掃を行っています。

車両は、荷室に載っているものをいったん全部出して、不要なものを処分し、ボディもピカピカに磨き上げます。

タイルカーペットは、はがしてタワシでこすって洗い、干して、また敷き直します。
トイレもピカピカに磨き上げます。
こうして皆で汗を流すことで、社内の一体感が高まります。

過去には工事現場に常駐している社員さんが、トイレを毎日キレイに磨いていたところ、元請さんから表彰をいただいたこともありました。

かつてはなかった「そうじをする習慣」が、確実に企業文化として根付いています。

現在の後藤真一郎社長は、8年半前は専務でした。
代表を引き継ぐ前に、こうして環境整備ができたことは、経営者として大きなアドバンテージになったことでしょう。
おかげさまで、環境整備を始めてから、同社の業績はうなぎ登り
環境整備は、間違いなく、社業の発展に寄与しているようです。

 

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